ペナントレースは3、4、5月の2ヵ月半が大切。「開幕を制する者はペナントを制す」と呼ばれます。これは投手、打者にもいえること。この時期に好成績を収めておけば、シーズン終了まで、その勢いが持続できる。

落合(博満)さんは特例で、シーズン終盤・第4コーナーに差しかかった秋口から一気に捲り、タイトルを奪取します。ただ、こういった選手は本当に稀。ごく少数です。

だいたいが3、4、5月に好成績を残すこと。この時期に波に乗るか、乗れないかで一年の成績が分かりますね。最初からアクセル全開。これが大事なのです。

ちなみに僕は、キャンプ初日の2月1日にフルスロットルでマックス。よって、開幕時は疲労困憊で低空飛行中でした。入団1年目と5年目は一軍で(開幕を)迎えられましたが、2~4年目はファーム落ち。二軍でシーズンを迎えたのです。

ファームで迎えた2~4年目は焦らず、体調を戻すことに終始。夏場までにリスタートできるよう、身体作りをしました。

一軍でスタートを切れた1年目と5年目は足の裏に心臓があるような感じでした。グラウンドに立つと「ドックンドックン」と心臓の音が足元から聞こえてきました。これは「緊張」ではなく、喜びの「興奮」です。

僕は代打要員ですから一打席勝負。1年目はロッテ戦で出場しました。これが「プロ初打席」。相手投手は村田兆治さん。結果は「空振り三振」でした。

初安打は、その2試合後のダイエー戦。ピンチヒッター、2打席目で初ヒットを打ちました。

前回と今回で僕流の「ペナントレース」を綴りました。実体験を交えたので、それなりに説得力があったと思いますが、いかがでしょうか――。やっぱり、「野球が一番!」


パンチ佐藤(ぱんち・さとう)プロフィール

1964年12月3日生まれ
亜細亜大学から熊谷組を経て、オリックスにドラフト1位で入団。プロ野球時代、トレードマークのパンチパーマと独特な発言で人気者に。引退後はタレントとしても活躍し、2015年シーズンからBCリーグ『武蔵ヒートベアーズ』の宣伝本部長に就任した。

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