「結婚は障害物競争に変わる」

政治・社会問題に対する発言となると、たけしの独壇場だ。

「そもそも政治というものは、一般の人たちに気にさせてはいけないものなんだ。バカに気にさせてしまうと、とんでもないことになる」
「"清き一票をぜひともお願いします"って、お願いされたから入れちゃったら、その時点で清くはないんだよ。売春婦のポン引きとほとんど変わらない」

最初は"毒"にしか聞こえないが、実はズバリと本質を突く。これぞ、たけしの真骨頂なのだ。
一方、さんまやタモリにはむしろ、"社会問題、政治問題をあまり語らないようにしよう"というポリシーがあるようにも思える。

また、女性問題にも3人の考えは大きく表れる。
政治・社会問題に鋭い意見を投げかけるたけしに言わせれば、「男」という生き物は、
「揺りかごから墓場まで、男はそんなことばっかり考えて生きている。いかに女にモテるか、もっと言えば、いいネエちゃんとヤレるかが、男の最大の関心事なのだ。100%そうだとは言わないけれど、99%はそうに決まっている」
と言うのだ。

それだけでなく、
「恋愛はまず見た目からだよ」
「"ネエちゃんヤラせろ"とは礼儀として言う」
「いったん、自分のものになった女は、キープボトルみたいなもの。初めはうまいけど、そのうち飽きちゃうし、他の女にフラれてもあそこにあれがあるって思えるじゃない」
口に出すことははばかれるが、真実に限りなく近いのが、たけしの女性哲学だ。

一方、結婚だけでなく離婚も経験しているさんまは、
「結婚はゴールではない! スタート! しかも途中から障害物競争に変わる」
と話す。

「僕も離婚経験があるから思うんですけど、まったくさんまさんの言うとおり。この言葉を聞くと、大竹しのぶさんの顔が浮かんできて、さんまさんの私生活が垣間見えるような気がします」(尾谷氏)

私生活がミステリアスな印象を与えるタモリは、
「仕事とセックスは家庭に持ち込まない」
との言葉を残している。
実のところ「一穴主義者」であるとも言われ、たけしや、さんまのようなスキャンダルは出てこないのがタモリの特徴でもある。

このように、お笑いというフィールドが同じでも、それぞれ、まったく異なる哲学を持っているのだ。

「彼らの言葉を振り返ると、3人とも人格者だというのがわかります。それぞれのポリシー、自分の生き方を持っていて、しかも、それをしっかりと言葉にできている。我々にとって、その言葉が"生きる指標"だとすら思えます」(尾谷氏)

ゴールデンウイークが終わり、新たな気持ちで日常生活に臨む読者も多いだろう。そんなときに改めて、ビッグ3の名言を噛み締めていただきたい。

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