「ストレス」を口にしたら注意

(3)受付の対応が悪い
いざ目当ての病院を訪ねたとする。だが、受付の事務員がなにやら忙しそう。言葉遣いは冷たく、少しイヤな気持ちになった……。
「受付は病院の顔。経営者や院長の意識が髙ければ、質のいい接遇をするように教育しているはず。ですから、そんな病院の医師の医療の質にも、問題があるかもしれません」(岡田氏)

同様に「事務員や看護師が忙しそうで、かつ皆若いならば要注意」と言うのは、『長生きしたければ医者にかかるな!』(彩図社)の著書もある、医師の富家孝氏。
「若い看護師ばかりだと男性患者はうれしいかもしれなせん。しかし、医療の細かい部分まで熟知しているベテラン看護師がいてこそ、医師も安心して多くの患者を診られるわけです。忙しく働いているのも、人件費を切り詰めている=利益第一の可能性があります」

(4)患者の目を見て話さない
気を取り直して、診察室に入る。ところが先生は、パソコンが置かれたデスクを向いて、なぜか、あなたと目も合わさない。
「電子カルテが普及している現在、医者がパソコンのほうを見ること自体はおかしくはありません。ですが、キチンと患者に向き合う気持ちがある医者なら、患者本人と目を合わさないはずがありません」(岡田氏)

「患者の話を聞かない」「聞いても話を途中で遮る」また「質問をすると不機嫌になる(怒る)」のも同様。医は仁術なり、を理解していない御仁である可能性が高い。
「自分の症状、その不安などを医者に直に訴えるだけでも患者は安心し、それが治療にもなるんです。不眠症、更年期障害、うつ症状などは特にそうです。それなのに患者の話を(最後まで)聞かない、怒るなど論外です」(岡田氏)

(5)医学書を見せて解説する
症状を聞くや、先生は目の前で分厚い医学事典を開いた。そして「これだ!」とばかりに、あなたにそのページを見せて、読んで聞かせ始めた……。
「これは、勉強不足の証拠です。逆に、あなたにパソコン画面を見せ、最先端治療の解説を始めたら、勉強熱心な医者に当たったと喜んでいいでしょう。そういう医者向けの有料サイトがあるんです」(岡田氏)

(6)すぐにX線検査を勧める
胸部X線検査、腹部X線検査、造影X線検査、CTなど、手足の骨折など外科に限らず、内科でもX線検査を勧められることは昨今珍しくない。近年は安価な器材やレンタルの普及により、CTを備えている診療所もずいぶん増えたという。
「しかし、X線検査は間違いなく発がん率を高めます。しかもX線写真を1枚撮る単純X線検査と違って、バリウムを飲んで検査している間、ずっと放射線を浴びている造影X線検査や、CT検査の被曝量も格段に高いんです」(岡田氏)

むやみにX線検査を勧め、かつ、その際、患者に「被曝の危険性」をキチンと説明しない医者は、保険点数稼ぎと見ていいと言う。

(7)「とりあえず」「ストレス」などNGワードを頻繁に言う
診察を終え、先生がおもむろに口を開いた。
「原因はストレスかもしれませんね」
これを何度も言う場合も、ヤブ医者の危険が。
「そもそもストレスを正確に測定する方法はありませんし、ストレスが強いと早死にする、というデータもありません。"病気の原因はストレス"で片づけてしまうのは、実は原因がよくわからないことへの言い訳の可能性が高い」(岡田氏)

これは、「とりあえず」「しばらく様子を見ましょう」も同様。いい医者は「わからない」とハッキリ言うと覚えておいてほしい。

(8)多くの種類の薬を出す
単なる風邪を患ったあなた。診療を終えた先生は薬の説明を始めた――。
ここで、せきを抑える薬、痛みを和らげる薬、鼻炎を抑える抵ヒスタミン剤、細菌を殺す抗性物質と、合計4種類を出されたとしよう。
「普通のカゼなら、患者が薬を求めても"必要ない"と言うのが最高の医者です。求められて、せきを抑える1種類ぐらい出すのが一般的です。ところが、このケースのように、普通の風邪で抗生物質まで出したら、体を守る菌まで殺して、逆に症状を悪化させる危険性があります。勉強不足もいいところです」(岡田氏)

現在は処方箋1枚には数種類の薬が記入でき、保険点数は処方箋1枚ごとの発行料のみとなっている。多種類の薬=利益至上と一概には言えなさそうだ。
「生活習慣病、たとえば高血圧の方にすぐ降圧剤を出す医者も問題です。3か月、生活指導して、それでも検査値が下がらない場合に、初めて出すようにガイドラインは定めています。今は生活指導でも、それなりの保険点数が出ますが、その書類の記入に手間がかかるため、安易に薬を出す医者もいる。だから生活指導をキチンとやり、しかも口うるさいのは、本当に患者さんのことを考えている、いい医者です」(岡田氏)

また、副作用のリスクが高い新薬を、やたらと進める医者にも注意してほしい。

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