中国は大風呂敷を広げるだけ

過去、中国は似たような鉄道を計画したことがあった。それは、エベレストにトンネルを掘り、チベットからネパールに至る鉄道網を建設するというもの。
「当時の中国指導部はもっともらしい顔で計画を練っていましたが、現在では、その計画は雲散霧消。翻って、南米横断鉄道ですが、これも絵空事に終わったエベレスト鉄道同様、いつの間にか露と消えているでしょう。完全な眉唾物ですよ」(宮崎氏)

とはいえ、そんな拙い弁舌と人民元の下に世界各国の旗をたなびかせんとしているのだから、隣国の日本としては穏やかではない。
「対中外交で対立続きの安倍政権は、AIIB対策にも本格的に乗り出しました。まずは、AIIBの創設資本金1000億ドルを超える1100億ドルを、アジアのインフラ整備に投じると表明。真っ向から対立する姿勢を示したんです」(経済誌デスク)

加えて6月には、ウクライナを訪問し、取り込みを図る中露の間に楔を打ち込むため、巨額の経済支援を表明する段取りという。
「安倍晋三首相は、これまでの2年半でアフリカ支援に3兆円、バングラディシュには6000億円を支援。それらはすべて対中政策の一環であることは言うまでもありません。もちろん、諸外国の評価は口先の中国とは雲泥の差です」(同デスク)

前出の宮崎氏が断じる。
「中国は大風呂敷を広げるのは得意ですが、そのたたみ方を知りません」
着実な技術向上と信頼性を第一に外交する日本と、人民元をぶら下げて世界を見下している中国。

"世界征服"という野望こそ大きいが、すでに、勝負の行方は決している。

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