とはいえ、「あの先輩のようになりたい」と思い、練習に臨むか、およそ2年半、何の目的も持たず、ぼんやり練習をするのとでは、大きな差が生まれます。

2年半を長いと考えるか、短いと考えるか……。「長い」と思っている選手は論外。「短い」と考える選手は、一日も無駄にできないハズです。

選手だけでなく、指導者、監督が選手にキッチリ教育できて、その考えが浸透している高校は強い。選手、指導者、監督……三位一体が形成されているからです。

喫煙、飲酒、万引きといったつまらない誘惑はもちろん、ケータイやDSなどゲームに勤しんでいる時間もない。いまや全国区になっている強豪校などは、携帯電話の保持すら禁止されています。

時代に逆行していると思われるかもしれませんが、高校球児はそういう気持ちで野球に取り組んでほしい。

不思議なモノで、野球というのは私生活がプレーに出ます。3年間、コツコツ努力をする選手は、止めたバットにボールが当たって安打になる。それも、その安打が決勝タイムリーになるなど、肝心なところで結果が出るんです。

逆に、いい加減な気持ちで野球に取り組んでいると、9回裏にイージーゴロを失策。これが決勝タイムリーエラーとなり、戦犯的な扱いになったりする。

長嶋茂雄さんが常々、語っている「野球とは人生そのもの」は名言。まさに、その通りだと思いますね。

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