美和 逆に厳しくなるかもしれないですね。若い人の感覚で、変な慣習が改められるかもしれない。今までのように“人間関係”とか“情”で投票したりはアンダー20世代には無いでしょうし…。

宗男 ただ、投票率でいうと前回の衆議院選挙では、60代の投票率が68%。20代は38%ですからね。若年層の方が投票に行ってない。もったいないことに与えられた権利を放棄しています。

編集 今現在は「投票に行く人の年齢が高い=自民党や公明党などの支持基盤がしっかりしているところが有利」というデータが出ています。

宗男 投票率に関しても、いちど検証した方がいいと思うんです。町村合併をしてから投票率が低くなってる。投票所が少なくなったからです。お年寄りの方なんかは、行けないですよ、投票所が遠くなったりして。それと小選挙区になってからも投票率は低い。魅力ある政治家がいないということですね。

美和 宗男先生は、中選挙区から小選挙区に代わった時を体験されていますよね。「あ、変わったな」というのは当時から実感されていましたか?

宗男 実感しました。やっぱり政治家が小粒になってきています。“大局観”というものがないですね。だから併せて選挙制度全体の見直しもすべきだと思うんですね。

美和 そして、憲法改正の国民投票についても議論がありました。

宗男 国家の基本に関すること。国民投票すべきかどうかというのは、しっかり議論したほうがいいですね。政権交代するたびに国民投票をやってたら、たまったもんじゃないですよ!「国民から選ばれた国会議員の判断は重い」ということです!!

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美和 国民投票って初めてですよね? すごいことになりそうですね。大阪都構想の住民投票のように、結構僅差かもしれないですしね。

宗男 ただ、マスコミの影響力が大きくなりますからね。誘導的な報道をされると困りますので一定の規制は必要だと思います。

編集 マスコミに対する規制というと、安倍首相がテレビ局や報道に対して行った、いわゆる「公正なる報道を要請」という名の下の“言論統制”というか…。

宗男 「自分たちに都合のいい事を言ったら良し。批判したものは駄目」だというのは、ちょっとフェアじゃないと思いますよ。

美和 宗男先生なんかどれだけ呼びつけて文句言わなきゃいけないか(笑)。

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