睡眠前の誤った習慣に注意!

健康のために、7時間の睡眠と早起きを確保することが大事なのは分かったが、誤った睡眠法がまかり通っているのも事実。たとえば寝酒がそうだろう。
「個人差はありますが、深酒すると、寝つきはよくても、夜中に目が覚めてしまいます」(成田教授)

睡眠前には適度な運動による疲労がいいといわれているが、寝る直前にジョギングしたり、フイットネスクラブに行ったりすると、交感神経が刺激されて、逆に眠れなくなる。
それは入浴も同じこと。熱いお湯につかると、やはり交感神経が刺激されるため、運動も入浴も、就寝の2時間前には済ませておきたい。

コーヒーなどのカフェイン類を摂取しないことは常識だが、寝る前には、刺激物も避けたい。"飲んだ後の激辛ラーメン"は禁物なのだ。
逆に、メラトニンの元となる成分(トリプトファン)を多く含んだバナナや牛乳を就寝前に口にすると快眠が得られるので、喉が乾いたら、牛乳を一口飲んでから寝床に向かおう。

また、寝苦しい熱帯夜にはクーラーが欠かせないものだが、設定温度を28度前後にし、眠りにつくまでの30分~1時間だけタイマーをかけておくのがベストな使い方だ。
ただ、寝室にクーラーがないからといって、クーラーが設置されているリビングのソファで寝るのはNG。寝返りが打てず、夜中に目が覚めてしまうだけでなく、頸椎などを痛める危険があるからだ。成田教授も指摘する。
「ソファで寝るくらいなら、まだ、リビングに座布団を敷いて、その上に寝たほうがましです」

この他にも、誤った睡眠で健康を損ねるケースがある。前出の眞田院長は、こう警鐘を鳴らす。
「空腹時には血糖値が下がり、眠たくなりますよね。しかし、お腹に何も入れないで低血糖のまま眠るのは、非常に危険なことだと言えるでしょう」
最悪の場合、意識がそのまま戻らないこともある。

枕も使い方によっては危険なモノになる。前出の工藤院長が解説する。
「高い枕を後頭部へ浅く入れると、顎が傾き、気道が塞がります。そうなったら、眠りが浅くなるのみならず、脳に酸素がいかなくなって、朝起きたら、頭痛に襲われることになります。高い枕なら深く入れて、気道を伸ばすこと。とにかく、気道を塞がないようなタイプの枕を選んでください」

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