文末に示した事故状況を見れば分かるように、死亡事故の件数は昼夜で差はないが、交通事故に占める割合から見れば、圧倒的に夜間のほうが、死に近いことが分かる。また、死亡者のうち45%が頭部を損傷しており、これは重傷者の3倍近い数字。頭部にケガをしている場合は、迅速な対応が必要だ。また、忘れがちなのが(2)二次被害の予防だ。車を停めて救護に駆けつけるのはいいが、事故に気づかずに走ってきた後続車に突っ込まれれば、さらに大惨事になる。そのため、ハザードランプの点灯や発火筒、停止表示器材設置をすることで、周囲に知らせることが大切になる。

 特に(3)高速道路では、「後続車追突による被害拡大は尋常ではないですから、まずは、車を路肩に移動。その後、運転手も同乗者も車体の左側のドアから外に出て、ガードレールの外側に退避してください」(交通記者の村松虎太郎氏)

 負傷の対応や危険回避が完了したら、次にしておくべきことが、お互いの(4)身元確認だ。特に被害者は、加害者の連絡先について、「氏名、携帯電話の番号、住所だけでなく、勤務先(通学校)はもちろん、免許証のナンバーも控えておくべきでしょう。免許証の確認は、相手の“虚偽”を防ぐのにも有効となります。さらに、欠かせないのが(5)加害者の保険証書の確認です。被害者は、相手が賠償に応じない場合、直接、加害者の加入する保険会社から金銭の支払いを受けることができますから、万が一のために、ぜひ、確認してほしいですね」(前同)

 この段階では、警察への通報も済ませておくが、注意すべきは(6)口約束を絶対にしないこと。「事故後の損害賠償の金額決定などは“示談”で決まります。精神的苦痛の慰謝料から、仕事の休業補償分、治療費までをも含みますが、よく、“○万円を払うから職場(家族)に内緒にしておいてもらえませんか?”ということがあるんです。事故の当事者が成人同士であれば、口約束も成立してしまうので、絶対にやめてください」(損保会社社員)

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