15年10月、球界を震撼させる大事件が勃発した。読売巨人軍に所属する福田聡志、笠原将生、松本竜也の3選手が関わり、解雇処分になった野球賭博問題だ。

 黒江氏は言う。「こんな事件が起きるなんて、OBとして情けないよ……。3人の中では、笠原が中心で、他の2人が巻き込まれた形なんだけど。私は、笠原ってやつは“怪しい”って思ってたんだ。あいつは、私と球場ですれ違っても挨拶一つしなかった。球場の観客席でないところにいるのは、マスコミを含めてみんな関係者なんだから、挨拶しなきゃいけないっていうのは常識だと思うんだ。少なくとも、私らはそういうふうに教育されてきた。そういうタガが緩んできたんだと思うな」

 一方、江本氏は、今回の事件を処理するにあたって、3選手の首を切って「事足れり」とする巨人の対応に疑問の声を上げる。「臭いものに蓋をして、切り捨てるというやり方では本当の解決にはならない。病巣を徹底的に取り除かないと、また同じことの繰り返しになる。3選手の人生は、これからまだまだ続いていく。彼らに、“本気でやり直そう”という気持ちがあるなら、私が関わっている高知ファイティングドッグズで徹底的に鍛え直してもいいですよ」

 川藤氏は、「(やったやつは)もう、アホとしか言えん」と嘆き、ギャンブルに手を出す選手の自覚のなさに厳しく警鐘を鳴らした。「確かに昔は“飲む、打つ、買う”はスターの特権、みたいな考え方があった。社会的な常識とはかけ離れた常識がまかり通っていた時代はあった。でも、そういうのは、あの黒い霧事件以来、様変わりした。遠征のときにジャケット着用が常識になったのも、あの時からや。わしなんか、それまでは、甲子園にも、夏場はアロハと雪駄履きで行って、“お前、こらぁぁ!! 球場、なんやと思ってんねん。会社行くのに、そんな格好せえへんやろ!”って、えらい怒られたけどな(笑)。まあ、それはともかく、ああいうものに手を出す連中は、自分の現状に不平不満を持ち、それを博打でごまかそうとするわけや。せやけど、あんなんで儲けても自分の家族が喜ぶか? 野球選手やったら、ちゃんと練習して野球で稼がんかい! 人生の本当の喜びは何や、ということを考えてほしいな」――球界を思うがゆえの3人のアツい喝と辛口提言は止まらない――。

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