がんはもう怖くない!? ここまできた「最新がん治療」最前線の画像
がんはもう怖くない!? ここまできた「最新がん治療」最前線の画像

 長きにわたって人類に死の恐怖を与え続けてきた難病が治る時代に突入した。悪性腫瘍もズル休みの口実になる日は、そう遠くない!

 今年に入ってからまだ間もないが、ジャーナリストの竹田圭吾氏や歌手のデヴィッド・ボウイ氏など、がんで命を落とした著名人の訃報が相次いでいる。しかしその一方で、がんが不治の病ではなくなりつつあるというニュースも飛び込んできた。

 今月20日、国立がん研究センターが、初めてがん患者の「10年生存率」を発表した。これは文字通り、がんの治療を受けた人の10年後の生存率を集計したものだが、それによれば、甲状腺がんは90%以上が10年以上生存し、乳がん、前立腺がん、子宮がんなども80%以上、罹患率が高い大腸がんや胃がんなども70%近くが生存している。50%を下回っているのは、肺がん(33%)、食道がん(30%)、肝臓がん(15%)、膵臓がん(5%)などだが、これも近年は生存率が伸びつつあるという。がん治療の技術に、いったい、どのような進歩があるのだろうか。最新のがん治療を紹介する前に、そもそもがんとはどういう病気なのか頭に入れておきたい。

 医療ジャーナリストの牧潤二氏に、簡単に説明してもらった。「人間の体は、60億個の細胞でできていて、その一つ一つが日々、分裂と死滅を繰り返しています。ところが、分裂するときに遺伝子の読み間違いで、がん化する細胞が出てくるんです。本来、こうした細胞は、免疫力を担うナチュラルキラー細胞によって破壊されるものなのですが、大量に増殖したり、免疫力が落ちてきたりすると防ぎきれなくなります。こうして、がん細胞がどんどん大きくなり、全身に転移するのが、この病気の正体です」

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