浅川氏によると、石破、岸田、野田の3人衆に、自民党幹事長の谷垣禎一氏を加えて4人衆になると、「党内は一気に権力闘争の状態になっていく」が、その谷垣氏も腹に“一物”を抱えている。「昨年11月頃、谷垣さんがメディア関係者と会食した際、話の8割は安倍首相への愚痴だったといいます。愚痴は逆心に変わる。当然、チャンスが訪れれば、と考えているでしょうね」(自民党関係者)

 党内の不満分子は彼らだけではない。5番目の刺客として急浮上してきたのが、前出の石原氏だ。安倍政権の火ダネである石原氏が、同時に、ポスト安倍の台風の目になりそうだ。「昨年の5月頃、自民党総務会長の二階(俊博)さんが石原さんへ接近し、二階派と石原派“合併”の動きがありました。実現したら、宏池会を抜いて党内第3派閥になる巨大勢力です。今回の石原起用は、そうした動きを封じ込める首相の狙いがあったともいわれているのです」(前同)

 “お友達”からも、その座を狙われる安倍首相。しかし、この党内の5人衆、支持率5割超えの首相にとって代わるには、国民人気はいまひとつ。「かろうじて石破氏だけが合格圏内でしょうが、その他の議員は正直、地味な印象が拭えません」(同) となれば、名前が挙がってくるのは、小泉進次郎氏。「1月の沖縄県宜野湾市長選で辺野古移設反対派の連勝が止まりましたが、背景には、小泉氏が選挙に勝った現職候補の応援に駆けつけたからだといわれており、影響力が大きくなっています」(自民党関係者)

 この他、「安倍首相が今夏に衆参ダブル選を断行し、仮に自民党が議席を失う結果になったら……」(永田町事情通)という前提つきの話ながら、その場合、7人目の候補となるのが前大阪市長の橋下徹氏だという仰天シナリオも。「橋下氏が衆院選に出馬して、おおさか維新の会が議席を伸ばし、かつ、安倍首相が再来年の総裁選での再選が難しいと判断したら、かねてから親交を深め、改憲という目標を同じにする橋下氏へ政権を禅譲するシナリオが、現実味を帯びてくるかも」(前同)——相変わらず続く“安倍一強”だが、確実にひび割れは大きくなっているようだ。

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