こうした高齢者が高齢者を狙う新たな詐欺は、首都圏だけでなく、実は全国的に広まりつつある。「詐欺グループの多くは、東京を拠点に活動してきました。そのため、首都圏での被害額ばかりが突出していたんです。ところが、ここ数年、被害額は西日本で急増。過去2年の都道府県別の被害額から増減率を算出してみると、それは一目瞭然です」(犯罪ウォッチャー)

表

 その増減率をまとめたのが上の表だ。確かに、西日本が上位を占めている。「首都圏での取締り強化や防犯意識の高まりで、犯罪組織はシノギの場を地方に移動。その際、新幹線が通っていたり、飛行機の便数が多い場所を狙った結果だと思われます」(前同)

 つまり、これまでは被害が少ない地域だったとしても、それがずっと続くわけではないというのだ。そして今後、猛威を振るいそうなのが、やはりマイナンバー詐欺だ。2月4日に『これから起こる「マイナンバー」犯罪』(洋泉社)を共著で上梓した前出の小川氏が、こう警告する。「高齢者の無知につけ込み、“マイナンバーの12桁を自分の希望に変えることができる”など、スーツを着たキレイな女性が訪問してくるケースが増えています。もちろん、それは氷山の一角。詐欺の手口はどんどん進化していくので、あらゆる知識を持っておくべき」

 被害に遭わないためには、“基本の4原則”を守るべきだと言う。「それは、振り込まない、送らない、渡さない、持っていかない、です。万が一、息子さんが本当に困っていれば必ず、本人が取りに来ます。もし警察に捕まっていれば、“署まで来てください”と説明されます。それ以外の要望は、すべて詐欺だと疑っても過言ではないのです」(前同) そして、たとえ同世代の仲間だからといって、気を緩めないようにしよう。

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