なんと、カップめんをレンチンするとは仰天だが、実は、この食べ方、カップめん好きの間では密かに流行っているという。「作り方は簡単です。戻し時間3分なら、カップめんにお湯を注いで1分半待ち、さらに電子レンジで1分半温めます。カップめんは、戻している間にお湯の温度が下がって、めんの戻りにムラができるんですが、この方法なら高温が保てて、均一に湯戻しできるため、理想的なめんが出来上がるんです」(同)

 注意すべきは容器だ。「紙製の場合は電子レンジの温度に耐えられますが、ポリスチレン製の場合は変形してしまうので、耐熱容器に移してから作るといいでしょう」(同) ひと手間かけるだけで、びっくりするほどおいしくなる。ぜひお試しを! と、“10分どん兵衛”や“レンチン”の流行を見ても分かるように、カップめんの主役はやはり、めん。「現在の主流は、茹でためんを油で揚げて乾燥させた、フライめん。めんの戻りが良いのが特徴ですが、やはり、生めんのモチモチ感は失われてしまいます。そこで76年に当時のカネボウ食品が出したのが、ノンフライめんを使った『ノンフライたんめん』。ノンフライめんとは、茹でためんを高温の熱風で乾燥させたもので、油を使わない点が画期的。生めんのような食感も味わえるんです」(同)

 だが、湯戻し時間がフライめんより長くかかるうえ、戻り方にもムラがあり、今ひとつブレイクを果たせなかった。「これに風穴を開けたのがマルちゃんの袋めん『正麺』。従来のノンフライめんが、茹でめんを乾燥させていたのに対し、生めんを乾燥させることで“生めん食感”を実現しました。マルちゃんは、この製法で特許も取得しています」 そして、その製法を元に昨年の10月、満を持して投じたのが『正麺カップ』。こちらは茹でめんを乾燥させたノンフライめんだが、食感は袋の『正麺』と同様。爆発的なヒットとなり、瞬間的ではあるが、王者である日清食品のシェアを抜いてしまった。「まさに革命的なカップめんでした。これに慌てた日清がすかさず『ラ王カップ』を出し、ノンフライめんジャンルでは今、熱いバトルが起こっています。担々めんなど味のバリエーションも増え、ファンにはうれしい状況です」(同)

 さて、ラーメンに負けないぐらいファンが多いのがうどん、そばだろう。やはり日本人はダシにこだわるためか、「日清食品は東日本と西日本で味を変えています。その境界線は岐阜県関ヶ原にあり、そこより東は鰹が、西は昆布が効いた味つけになっています。ちなみに流通の関係で、滋賀県と三重県の販売店では、東西両方の味を販売している店もあるそうです。最近では、ネット通販の『Amazon』などで、東西それぞれの味を購入できます」(情報誌記者)

 うどん、そばというと、『どん兵衛』シリーズが有名だが、それに負けず劣らずファンが多いのが、マルちゃんの『赤いきつね』と『緑のたぬき』だ。「実はカップのうどんを最初に発売したのはマルちゃんで、『マルちゃんのカップうどんきつね』という商品名でした。揚げの製法など、独自に開発した技術が多いんですが、特許申請をしていなかったため、後発製品が続々と登場。キャッチーなネーミングの『どん兵衛』に売上で負けてしまいました」(前同)

 そこでマルちゃんはリニューアルを図り、商品名を『赤いきつね』に変えたのだが、その元となったのが山口百恵のヒット曲『プレイバックPart2』。「“真っ赤なポルシェ”というフレーズからヒントを得て、強いインパクトを与えるべく“赤い”という言葉を使ったそうです。それ以降、マルちゃんのうどん、そばシリーズには緑、黄色、黒、紺、白、金、青と色が多く使われています」(同)

 さて、ラーメン、うどん、そばほどではないが、コアなファンが多いのが焼きそばだろう。特に『ペヤング』は芸能人にもファンが多く、マツコ・デラックスもテレビ番組で『ペヤング』派だと公言していた。「マツコがお気に入りの食べ方は、『超大盛りソース焼きそば』に、『激辛焼きそば』と『にんにくMAX焼きそば』のソースをかけるというもの。“辛すぎる”と評判の激辛ソースが少しまろやかになったうえ、にんにく風味がプラスされ、たまらないんだそうです」(民放局ディレクター)

 ちなみに『ペヤング』の由来は“ペアのヤング”。当時、袋めんに比べ高価だったカップ焼きそばを、若くてお金のないカップルが2人で分けて食べるイメージから、つけられたそうだ。ソース味、たまらん!

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