また、体の負担が大きい徹夜は禁物だ。「一晩の徹夜で、血圧が10ミリHg上がります。これは、降圧剤1錠分の効果を無にするほどです」(同)

 一方、目覚まし時計の多用も考えものだ。毎朝、当たり前のように目覚まし時計で起きている人も多いだろう。だが、「深い眠りの場合、無理やりではスッキリ起きられません。睡眠が浅いタイミングで起きることが大切で、目覚まし時計はあくまで寝過ごさないための“保険”程度に使うべきです」(同) 人間は夜だけでなく、午後2~4時に眠気のピークが来る。昼寝には、その眠気を減らす効果が。「ただ10~30分内にやめましょう。それ以上だと眠りが深くなり、目覚めが悪くなるし、夜の睡眠にも悪影響を及ぼします」(同)

 また、夜の安眠のためにも1日1万歩は歩きたい。「うちにも不眠を訴える方が、よく来られます。その際に話を聞くと、ほとんど体を動かされていない方が多い。体が疲れていないと、眠れないのは当然です」 こう語るのは、「和光治療院・漢方薬局」(千葉市)で、鍼灸師と薬剤師を務める平地治美代表。平地氏によれば、ストレッチ、ダンス、意外にもカラオケもいいとのこと。「こうした“リズム運動”は、夜になると睡眠を促すメラトニンというホルモンに代わる“セロトニン”という脳内物質を増加させることが分かっています」 一方、就寝前の入浴の温度は、40℃以下の“ぬるめ”がいいという。「熱めだと、覚醒してしまいます。逆に、寝起きにシャワーを浴びるなら熱めがいいですね」(前同)

 また、就寝前のコーヒー、寝酒は厳禁だ。「コーヒーには覚醒させるカフェインが含まれています。特に高齢者の場合、代謝が落ちている分、効果が薄れるまで時間がかかるので、午後3時ぐらいから避けたいところです。お酒は寝つきをよくしますが、深い眠りを妨げるので、お勧めできません」(同)

 同じく、就寝前の食事も厳禁だ。胃腸での消化にエネルギーが行く分、睡眠の質が低下するというのだ。「就寝前にスマホ、PCを見る。深夜営業のスーパーに出かけるのも避けましょう。あの明るい光には、覚醒作用があるからです。それと、寝る前の深呼吸は、リラックス、眠気を呼ぶのでいいですね」(同) 以上を実践すれば、質の高い深い眠りを得られること間違いなし。眠りの秘密、お役に立ちましたか?

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