安倍とプーチン「北方領土の密約」日露の利害一致で急展開!?の画像
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 戦後70年超、一族3代の悲願が、大きく前へと進もうとしている。「北の皇帝」の首を縦に振らせたその交渉の内幕を完全スクープ!

 5月6日、ロシアのソチで、安倍晋三首相とロシア・プーチン大統領の首脳会談が持たれた。「非公式訪問ながら会談は3時間20分にも及び、その中で安倍首相とプーチン大統領は35分間も、お互い通訳だけを介して話し合いました。会談後、首相が“今までの停滞を打破する、突破口を開く手応えを得ることができた”と語る横で深くうなずくプーチン大統領の姿があり、その席上で、日露平和条約締結と北方領土返還に向け、なんらかの“約束”が交わされたのではないかといわれています」(全国紙外信部記者)

 戦後70年以上が経過したが、実は、日本とロシア(終戦当時はソ連)はいまだ平和条約を締結していない。そして、戦後のドサクサに紛れて占領された択捉、国後、色丹、歯舞諸島いわゆる北方領土も、返還のめどが立たないまま。この問題の解決は、戦後体制の中で生まれた自民党の悲願と言っても過言ではない。「これまで、歴代の政権によって、何度も返還交渉が行われてきました。その都度“全面返還”にこだわる日本側の主張はのらりくらりとかわされており、具体的な解決は何も見ないままです」(全国紙政治部記者)

 祖父の岸信介・元首相、父である安倍晋太郎・元外相も頭を痛めたこの問題には、安倍首相の力の入りようもひとしお。「第1次安倍政権の頃も含めると実に12回もプーチン大統領に会い、“ウラジーミル”“シンゾー”とファーストネームで呼び合うなど、親近感を演出。同盟国・アメリカのオバマ大統領よりも、はるかに親密につきあってきました」(前同)

 しかし、この蜜月関係が危機を迎えた時期もある。2014年2月、ロシアがウクライナ領であったクリミア半島を併合し、武力衝突寸前にまで至る事態(クリミア半島危機)が勃発。これに対して欧米諸国はロシアに経済制裁を課し、日本もそれに同調したのだ。これでロシア側の態度は硬化し、領土問題の解決はまた遠のくかと思われた。「“雪解け”を目論み、同じ年の11月に安倍首相側が頼み込んで北京市内で行った会談は全部で約90分、“サシ”の時間はわずか10分。翌年の会談でもいまひとつ進展はなく、領土問題に関しては完全に手詰まりの印象でした」(同)

 今回の会談が3時間超だったことを考えると、当時との差は歴然。いったい、安倍首相はソチで、どのような話をしたのだろうか。「今回の会談では、日本がロシア側にかなり具体的な経済協力を提示したんです。医療技術やインフラの提供、石油・ガスなどのエネルギー開発、港湾・空港の整備など8項目にわたる大盤振る舞いと言える内容で、事実上、経済制裁をなし崩しにするような提案でした」(前出の外信部記者)

 これで、両首脳の蜜月関係は復活。6月に日本で次官級協議、そして9月にはウラジオストクで再び首脳会談が開かれる運びとなったのだ。安倍首相からプレゼントとして双眼鏡を受け取ったプーチン氏は「ウラジオストクでは、これ(双眼鏡)でシンゾーを発見しよう」と、上機嫌だったという。「歳入の半分を原油・ガス部門が占めるロシアは今、世界的に燃料価格が暴落したことで、財政難に喘いでいます。そこで日本の開発援助や投資を呼び込み、経済をテコ入れしたいという思惑に、首相の提案がマッチしたのでしょう」(国際問題評論家の小関哲哉氏)

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