リニューアルした日曜日の夕方の国民的番組。お茶の間に笑いを届ける噺家たちの実力を本誌が徹底分析!
桂歌丸の勇退に伴い、新体制でスタートした『笑点』(日本テレビ系)。リニューアル第1回となった5月29日の放送では、平均視聴率28.1%という驚異の数字を叩き出した。「今世紀最高どころか、現在の放送枠(日曜日午後5時半~)になった1996年4月以降でも歴代最高でした。瞬間視聴率に至っては32.3%ですから、まさに常識はずれの数字です」(テレビ誌記者)
それほどの耳目を集めたのは、ご存じのように、前週に発表された新司会者・春風亭昇太のデビュー戦であったこと。そして、メンバーである林家たい平の24時間マラソンランナーへの抜擢(ばってき)が発表されたことも大きな要因だろう。しかし、それ以上に国民が注目していたのは、昇太の抜けた穴を埋める大喜利新メンバーが、いったい誰になるのかという点だった。「昇太と同時期に落語家に入門し、2人で旅行にでかけるなど親交の深い立川志の輔や、初の親子の大喜利対決と話題性がある林家木久扇の息子・木久蔵など、さまざまな名前が取り沙汰されていました」(前同)
結局、新メンバーは、たい平と同じ林家こん平門下の林家三平だった。「昇太の新司会抜擢は見事なサプライズでしたが、三平の新メンバー抜擢は、まったく逆の意味で衝撃でしたね。言ってみれば、“オオギリーマンショック”ですよ」(演芸関係者) そんな声が出るほど、「三平では力不足」だというのが、業界での共通認識だったというのだ。それでも三平が選ばれたのは、いったい、なぜなのか。事情を知る制作会社関係者が、こう打ち明ける。「まず、先代林家三平の妻であり、当代三平の母でもある海老名香葉子さんのねじ込みがあったと、もっぱらの噂ですね」
むろん、“落語界のフィクサー”ともいわれるほど発言力を持つ香葉子氏の意向が影響した可能性もあるが、今回の人選は、それだけではないというのだ。「現在、多発性硬化症でリハビリ中の林家こん平師匠への恩返し、という意味があるんだと思います。こん平師匠は、放送初回から40年近く番組を引っ張ってきただけでなく、出演者と番組スタッフの間を取り持つパイプ役で、“トラブルが起こった際は、こん平さんに相談”と言われるほどスタッフから頼りにされていたんです」(前同)
こん平の穴は、弟子であるたい平が埋めたとの声もあるが、こん平が恩義を感じている香葉子氏が、なんとかしたいと思っているのが、息子の三平。一方、たい平にも、海老名家の御曹司を差し置いてレギュラーの座をつかんでいるという負い目がある。「こん平、海老名家、たい平の三者に横たわる複雑な思いをスッキリさせる。そして、若いメンバーを入れることで番組にもフレッシュさを加味できる。三平を『笑点』のレギュラーにすることは、三方どころか、四方一両得の妙案というわけです」(同)
自然体で「お題」に答える29日放送分の三平を見れば、番組側の思惑は、今のところ「成功」と言っても差し支えないだろう。こうして新体制がスタートし、注目度が増す『笑点』。今後の番組の出来を左右するのは、やはり新メンバーを含めた7人の噺家たちの力だろう。そこで本誌が、彼らのテレビには映らない(秘)通信簿を大公開!