まずは、新司会者に抜擢された春風亭昇太。『BS笑点』で司会を務めるなど、地上波デビュー前から、その才能は注目を集めていた。「彼の新作落語の高座のチケットは、発売即完売になる人気ぶり。高座で稼いだ金で、世田谷に1億3000万円の豪邸が建つほどです」(前出の演芸関係者)

 才能があるだけではなく、周囲の関係者の人望も厚い。「ある映画監督が、映画の出資者が見つからないと困っていたところ、昇太が即決で“おれが出すよ”と500万円近くをポンと出したこともあるそうです。ああ見えて、実は周りを引っ張る大将タイプで、全方位をよく見ている。司会者としても、うまくやっていくと思いますよ」(前同)

 司会者の重圧も大きいはずだが、趣味の城巡りで、うまく息抜きしているとか。新司会者の最右翼ともいわれていた三遊亭圓楽は、「番組の場の空気を作れるのは圓楽しかいない」とお笑い評論家のラリー遠田氏が絶賛するように通信簿では各数値とも高評価を獲得。「圓楽さんは青学出身のインテリで、物事をひねくれた目で見ることができる。歌丸さんとバトルを繰り広げたり、『笑点』という“場”を作ってきた中心人物。いわば、ひな壇芸人の“まわし役”で、今後も、そうした位置づけは変わらないと思います」(前同)

 自らが司会者の当て馬にされていたことを逆手に取り、“新司会者の座を虎視眈々と狙っている”という新たなアングルをさっそく披露し、お茶の間を沸かせた圓楽。今後も“笑点の中心人物”であることは間違いないだろう。圓楽同様にブラックキャラなのが、三遊亭小遊三。「圓楽さんがインテリっぽいワルなのに対して“こそ泥”とか“釣り銭泥棒”といった類いのワルのイメージを押し出しています。日曜日の夕方にふさわしくないようなブラックなネタも好んで取り上げたりしますから、番組的にはいいスパイスになっています」(同)

 落語芸術協会副会長であるということもあるが、何か事が起こった折には、最後に静かに収められる親分肌の性格だという。その小遊三の隣に座っている三遊亭好楽は、“ピンツマ”(ピンク、つまんねえの略)という言葉があるほど、面白くないキャラ。しかし、視聴者の評価と落語界での評価は真逆だとか。「好楽師匠は、大ベテランにもかかわらず、決して偉ぶらず、自分がどう言われても受け流すおおらかさがある。そんな性格が功を奏したのか、若手の登竜門である林家彦六賞を受賞した三遊亭兼好など、一門から優秀な弟子が次々と育っています」(前出の演芸関係者) ちなみに、好楽がピンク色の着物を着ているのは、大正製薬のCM『ピンクの小粒コーラック』のダジャレから来ているという。

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