自民党の中堅議員が、「結局は“小泉進次郎頼み”。でも、いつもとは、そのワケが違うんだよ」と意味深に話すのは、一部報道を受けてのもの。「W選にこだわっていた安倍首相が衆院解散を断念せざるをえなくなり、“選挙応援は進次郎に回らせればいい”と、投げやりになっているって報じられたでしょ。それは結構当たっていて、その瞬間から進次郎は“影の選対委員長”に就任したも同然なんだよ」(前同)

 現在、“表の選対委員長”は茂木選対委員長だが、すでに触れたように、評判はよろしくない。しかも、「選挙となっても存在感は希薄で、参院選への影響力は極めて限定的。応援演説で全国を回るのは選対の本来の仕事じゃないかもしれないけど、進次郎のほうが適任だよ」(同)

 ひとたび選挙となれば、進次郎氏が引っ張りだこになるのは周知の事実。応援弁士やポスター撮影の依頼が多くの陣営から殺到するのは、父親譲りの話術が人々を惹きつけるからだ。政治評論家の浅川博忠氏は「党最大の広告塔ですから、フル稼働が期待されている」と、その人気に太鼓判を押したうえで、「18歳以上に引き下げられた選挙戦だけに、若者層の掘り起こしが一番の狙いであることは間違いない」と続ける。実は、消費増税の再延期を決めた安倍首相の決断に進次郎氏は、「再延期も、決まっていた(社会福祉の)充実策もやるという。こんなおいしい話はない。そんな話に若い人たちは騙されない」と、若者の代弁者としてこう噛みついていたが、これは官邸筋も織り込み済みだという。

「有権者が“よく言ってくれた!”と思うことをズバズバ発言し、彼が応援演説する候補者につい投票してしまうことを狙っているようだ。安倍首相も、それが分かっているから、好き放題言わせている節がある」(前出の中堅議員) 自民党が勝つかどうかは、安倍首相でも選対委員長でもなく、進次郎氏の動きにかかっているのだ。

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