もはや、参院選の名物となりつつあるタレント候補。今回の選挙でも、優良銘柄から意味を見出しにくい候補者まで、玉石混交の乱立状況を呈している。中でも、“タレント激戦区”として注目を浴びそうなのが東京選挙区だ。今回から改選定数が5から6へ1議席増えるため、各党が候補者探しに躍起になっていたが、固まりつつあるその顔ぶれは、選挙戦とは思えないほど多様だ。

 まず、おおさか維新から元長野県知事の田中康夫氏が、新党改革からは元女優の高樹沙耶こと益戸育江氏が出馬を表明。民進党の現職で3度目の当選を目指す元タレントの蓮舫氏も合わせ、知名度合戦の様相を呈す中、6月7日になって自民党は、元ビーチバレー五輪代表の朝日健太郎氏の擁立を公表した。「田中氏は、知事時代の実績に加えて国政経験もあるのはプラスですが、2012年に出馬した衆院選では落選しているのが気掛かり。益戸氏は、主張する政策の目玉ポイントが“大麻の合法化”では正直きつい」(全国紙政治部デスク)

 一方、蓮舫氏は「前回に続きトップ当選の最有力候補。民進党にとっては、彼女こそが比例区における票集めの最大の広告塔でしょう」(前同)という。その蓮舫氏と並ぶほどに、民進党が期待する新人のタレント候補が長野県にいる。かつて、TBSの顔としてキャスターを務めていた杉尾秀哉氏だ。「選挙前から当確を出してもいいほど盤石。むしろ、議員として、どのような活動をしてくれるかに期待してしまいます」(同)

 一方、真っ先に出馬を表明しながら、立場が微妙なのはアイドルグループ・SPEEDの今井絵理子氏だ。自民党から比例区で立候補することは前述したが、「婚約者の男性が、女子中学生を違法に働かせて逮捕された過去を持ち、あまりにイメージが悪い。彼女自身は比例区での出馬なので当選は間違いないでしょうが、求められているのは、沖縄選挙区の援護と比例区での票集め。本来の役割は果たせなさそうです」(自民党関係者)

 ちなみに、公示日直前に発表されることが多いといわれる目玉候補だが、「壇蜜、みのもんたなど、何人かの名前が一部では上がってはいますが、実現性は低い」(前出のデスク) 今回の参院選では谷亮子氏が出馬しない意向を表明。もはや、知名度だけでは勝てないのだ。

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