さて、80〜90年代の球界におけるスーパースターといえば、清原和博。近年は野球以外の話題を振りまいているが、現役生活の22年間は、誰がなんと言おうと輝いていた。通算525本塁打は歴代5位。500本を超えた頃には、次のように発言している。

●「ようやく偉大なる先輩たちの姿が見えてきた」

 とはいえ、清原にはあまり名言らしい名言はない。言葉よりも「存在感」が先立つのがこの男の特徴だ。
 さて、21世紀に入る頃から、王、長嶋の時代には考えられなかった日本人メジャーリーガーの存在が当たり前になってきた。そのパイオニア、野茂英雄の発言。

●「挑戦すれば、成功もあれば失敗もあります。でも挑戦せずして成功はありません」

 野茂氏をきっかけに、日本人の一流選手はメジャーを目指すようになる。巨人の主砲だった松井秀喜には、巨人からの猛烈な引き留め工作があった。それを、振り切って「夢」を追うこととなった松井は、渡米前の記者会見で次のように語った。

●「今は何を言っても裏切り者と言われるかも入れないが“松井は(大リーグに)行って良かったな”と言われるようにしたい」

 実際に松井は、この言葉を実践して見せた。
 松井氏と並び称される、もう一人の「伝説」のメジャーリーガーがイチロー。彼の語録は、何冊も本になっているが、シーズン213安打でフィニッシュしたオリックス時代の08年の試合後のインタビューで、彼らしい発言をしている。

●「一番になりたかったですね、僕は。ナンバーワンになりたい人ですから。オンリーワンのほうがいい、なんて言っている甘い奴が大嫌い」

 この他、人の意表をつく発言も多い。09年3月23日、第2回WBCで優勝し、ドジャースタジアムを1周した後、次のように発言している。

●「気持ちよかったですねえ。もうね、ほぼイキかけました。ええ、すんません」

 メジャーリーガーで投手の代表だった松坂大輔は、ボストン・レッドソックスに入団が決まったときに次のように発言している。

●「夢という言葉は好きではない。夢は見るもので、かなわないもの。ここで投げられると信じてきたから、ここに来られた」

 もう一つ、現役メジャーリーガーの代表、ダルビッシュの言葉を紹介しよう。

●「土・日の休みが消え、夏休みが消え、冬休みが消え、友達が遊んでるときに練習してた。だから今がある」

 やはり厳しい世界、それがプロ野球。最後は再び、長嶋氏の名言で締めくくろう。

●「野球とは人生そのものです!」

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