で、一方のハンバーグ。どこからやってきた!? 「ハンバーグの起源は、18世紀頃のドイツ・ハンブルク。労働者向けの食事として流行した“タルタルステーキ”がルーツといわれています」とは、前出の歴史学者。

「さらに根源を言えば、13世紀頃に欧州に侵攻していたタタール人が食べていた馬肉の生肉料理。これが進化し、その後、20世紀前半にかけてアメリカに移住したドイツ系移民によって広まり、“ハンブルクふうステーキ”と呼ばれるように。日本では明治38年の『欧米料理法全書』に“ハムボーグ”という記述があり、これが最古のレシピ。一般に広まるのは、大正から昭和にかけての大正デモクラシーの時期で、この頃には“ハンバーグ・ステーキ”と呼ばれるようになっていたようです」(前同)

 だが実は、ドイツ、アメリカから伝わるずっと前から、日本では、事実上のハンバーグを食べていたとの記録が残されているという。「約5500年前の縄文前期の居住地跡として知られおんだしる、山形県の『押出遺跡』から発見された、卵をつなぎに、鹿肉や猪肉を練り込んで発酵させたクッキー状の炭化物がソレです!! 一方、約6000年前の遺跡の長野県『大崎遺跡』からも同様の炭化物が発見されています」(前同) 日本人のハンバーグ好きは、いにしえの記憶ゆえ!?

 時代は下って、1960年代。ハンバーグはご馳走として一般家庭の食卓にも上り、70年代に突入すると、レトルト食品の普及でメジャーな存在感を放ち始める。「初のレトルトハンバーグは、62年にマルシンが発売。といっても、温めれば食べられる、現在の真空パックに入ったようなものではなく、焼いて完成させるタイプの商品でした。70年代に入って真空パック入りが発売され、食卓はむろん、子どもやお父さんの弁当の一品としても爆発的な人気となりました」(外食コンサルタント)

 ここで、料理研究家のオガワチエコ氏が言うには、「レトルトのハンバーグの中でも『ハインツ』はソースが大人味で、肉にも玉ねぎの甘みとコクが出ている。『洋食亭』は肉のプリプリ感と肉汁がいい。『チキンハンバーグ』は懐かしの味で、お弁当にうれしいです」 ちなみに『ハインツ』のハンバーグはマツコ・デラックスも、「洋食屋さんで出されても分からないわね」と絶賛。爆買いすべし!!

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