今季、打率.293、14本塁打、61打点で日ハムの日本一に貢献。今の巨人にとって、打てる外野手は願ってもない存在だ。ところが、これまた巨人が躊躇している間に、オリックス、楽天が獲得を先んじる形となってしまった。「そこで次に目をつけたのが、オリックスの糸井嘉男(35)です。今シーズンの打率が.306、53盗塁で史上最年長で盗塁王となった選手ですから、目的にぴったり当てはまります」(前出のスポーツ紙デスク)

 阪神の金本監督がご執心ということもあり、一時、糸井争奪戦は、巨人と阪神のマッチレース、それどころか「巨人が一歩リード」という憶測が、まことしやかにささやかれていた。「ところが、ドラフト会議の直前、巨人は糸井争奪戦から突如、降りてしまいます。阪神が用意している4年総額18億円という大型契約に恐れをなしたというのが表向きの理由ですが、どうやら、それだけではなさそうです」(前同)

 よくも悪くも、糸井嘉男は強烈な個性の持ち主といわれている。「最終的に、糸井の個性は巨人のチームカラーに合わないのではないか、と判断されたんじゃないかと、もっぱらです」(同)

 この時点で、FAによる投手と打者、1人ずつの獲得を諦め、投手2人の獲得に軌道修正を図る。「ソフトバンクでのワンポイントの起用に不満を持っていた森福がFA宣言したところで、すかさず名乗りを上げました。実はリリーフ陣も、酷使しすぎた山口鉄也の調子が落ちてきていますから、貴重な左のセットアッパーを欲しくないわけはなかったと思いますが……」(巨人軍担当記者)

 FAだけでなく、もう一つの補強手段であるドラフトにも目を向けてみよう。「今年の巨人は即戦力投手の獲得を貫こうとしたんですが、目玉選手の田中正義(創価大)、佐々木千隼(桜美林大)の指名では、ことごとくクジに外れ、1位指名したのは守備に定評のある内野手の吉川尚輝(21=中京学院大)。いい選手だとは思いますが、結局、手薄なところの補強はできませんでしたね」(スポーツ紙デスク)

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