食事においても同様だ。一般的には、外食や弁当は健康の大敵とされるが、仕事に追われる毎日の中で、外食や弁当は体力的にも経済的にも強い味方。それを悪者扱いされても……と思いきや、やはり事実は異なるようだ。

「何をどう食べるかの留意点は、外食も手作りも変わりません。それなのに、外食や弁当ばかり目の敵にするのは完全な間違い。むしろ、食事にこだわるがゆえに無理して買い物や料理をして体力を消費するほうが、よっぽど不健全。プロボクサーの中には、コンビニ弁当など栄養価が明記されているものを食べて、体重調整や体調管理に利用している人もいるぐらいですから」(前出の医療記者)

 医療ジャーナリストの牧潤二氏は、簡単な健康外食術を、こうアドバイスする。「牛丼店なら、牛丼ではなく、牛皿と別に少なめご飯を頼むんです。こうすることで、炭水化物過多を防ぐことができる。また、ファミレスなら、ハンバーグではなくステーキを注文すべきです。ハンバーグは脂肪分の多い挽肉をまとめて焼いたものなので、ステーキのほうが体のためになると言えます」

 そんな牧氏がオススメするのが、回転寿司。魚介類を手軽に美味しく食べられるからだ。中でもアジ、カツオ、マグロは、血液をサラサラにするEPAとDHAが豊富だという。

 また、コンビニで買い物をすると視覚と聴覚を刺激してくるおでんは、実は健康にはピッタリ。というのも、大根やこんにゃくには食物繊維がタップリで、栄養価が非常に高い卵、骨や血液に有効な成分が多いイワシやサンマのつみれ、大豆イソフラボンが豊富な豆腐や厚揚げと、優良食品が多いからだ。

 また、食事をする際に、よく噛むことが大事だと話すのは、内科医師。「よく噛むことで満腹感を容易に得られるようになり、食べ過ぎなくて済みます。少ない量で我慢するよりも、精神的にずっと健全。また、消化がしやすくなって胃腸への負担も小さくなるというWメリットがあります」

 他にも、<とうがらしをかけて食べる>ことと、<夕食に納豆を取り入れる>ことを推奨するという。「とうがらしは、脂肪燃焼効果が。納豆も脂肪を燃やしやすい体にしてくれる成分が含まれているんですが、それだけでなく、血液をサラサラにして、血栓ができにくくなる効果も抜群。また、高血圧や悪玉コレステロール対策にも、非常に有益なんです」(前同)

 その血液サラサラ効果のスゴいのは、病院で出血を伴う治療を行う際、出血過多にならないよう、事前事後に納豆を食べることを禁止する場合も多々あるほどなのだという。ちなみに夕食に取り入れるべき理由とは、「その成分が活発に働き出すのが数時間後なので、睡眠時間に重ねて、その効果を十分に得るため」(同)

 納豆が健康フードなら、コーヒーは健康ドリンクとも呼ぶべきもの。別の医師が解説する。「まだ解明できてない部分も多いんですが、コーヒーを良く飲む人は、飲まない人に比べて肝がんや糖尿病の発症リスクを下げるとの研究結果があるんです。特に糖尿病に関しては、1日に7杯飲む人は、2杯以下しか飲まない人の半分のリスクともいわれています」

 納豆とコーヒーを愛用することで、病気知らずの健康体を手に入れたも同然!?

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