一方、現役世代の会社員にもお得な裏ワザはある。「『特定支出控除』です。勤務先から支給されなかった仕事関連費用を、経費として所得から差し引くことができる制度で、確定申告をすれば利用できます」(同)

 特定支出控除として認められるのは、仕事関連の書籍代や資格取得のための費用はもちろん、転勤時の引っ越し費用や単身赴任中の帰宅旅費のほか、なんと仕事で着るスーツや靴代、取引先との交際費も対象となるのだ。「たとえば年収500万円なら、経費が77万円を超えれば利用可能。仮に経費が120万円とすると、77万円との差額である43万円の控除を受けられます」(同)

 特に、帰宅旅費が高額な遠隔地へ単身赴任中の人や、転勤で高額な転居費がかかった人はチャンスあり。ワイシャツを買う際も、領収書をもらっておきたい。また、この時期、インフルエンザやノロウイルスで会社を1週間休んでしまったという人もいるだろう。有給が使えず、休んだ分の給料が減ってしまった。そんなときに活用したいのが『傷病手当金』だ。「業務外の仕事やケガで、連続する3日間を含む、4日以上仕事に就けなかった場合、お金がもらえます。1日あたりの給料(標準報酬日額)の3分の2、標準報酬日額が8000円なら、5333円が受け取れます。会社経由で、加入している健康保険の組合、協会に申請します」(同)

 最長で1年6か月間受け取れるので、がん治療など長期の療養が必要となった場合も、強い味方となる。さて、中高年になると、体の不調はつきもの。病院や薬にかかる費用は増える一方だが、そんなときに活用したいのが『医療費控除』。

「医療費総額が年10万円以上という条件のため、一見クリアが難しそうですが、医療費には意外なものも認められるんです。たとえば温泉旅行。腰痛や心臓病、胃腸病、糖尿病、高血圧持ちで、治療に温泉が効果的という人は、医師に“温泉療養指示書”を書いてもらえます。対象施設を利用すると、往復交通費や宿泊費も医療費控除の対象になるんです」(同)

 さらに、健康診断でメタボと診断された人にも朗報。「医師に“運動療法の処方せん箋”を書いてもらえば、毎月1万円近くかかるスポーツジムやフィットネスクラブの費用が医療費控除の対象に。こうした裏ワザは医師から言い出すことはまずないので、“書いてほしい”と自ら伝えましょう」(同)

  1. 1
  2. 2
  3. 3