
16年のプロ野球は広島がセ界を制し、日本ハムが日本一の座を勝ち取った。意気上がる両チームとは対照的に、最近とみに影が薄くなって来たのが、老舗人気球団の巨人と阪神。それぞれのチームの現状を憂う大物OB2人が愛する古巣に、喝!
■巨人OB・篠塚和典「巨人の若手が育たないのは二軍のシステムに問題あり!」
――16年の巨人は2位という結果に終わりました。
「まったく評価できない。2位と言っても、首位の広島に17.5ゲームも離されたということは、やっぱり戦力が整ってなかったということだと思う」
――勝てなかった最大の理由は、なんでしょうか。
「やはり、投手陣でしょうね。内海哲也が出遅れたし、エースの菅野智之があれだけ頑張っても10勝に届かなかった。普通なら、15勝してないとおかしい。抑えの澤村拓一にしても、セーブ王のタイトルは取ったけど、肝心なところのミスが響いて、首脳陣に信頼されていないのが現状ですよ」
――投手陣だけでなく、捕手に対する批判の声も上がっています。
「小林誠司はまだまだ。彼は実力というより、他にいないからマスクを被っているだけ。マイコラスが彼の捕球に文句をつけていたけど、あんな風に思っているのは彼だけじゃない。もっと基本や、試合のため意味のある練習をしないとダメ。阿部慎之助も最初はうまくなかったけど、打撃がいいから長嶋、原監督が使い続け捕手としても成長した。小林は肩の強さは評価できるが、バッティングも2割7、8分は打たないと」
――その阿部慎之助は、どうでしょう。
「16年の阿部はよく頑張ったと思う。村田もそうだけど、ベテラン勢はよくやっているよ。今度はマギーが入ってくるから、阿部、村田修一を、どう使っていくのかが大きな課題だね」
――17年に期待できそうな選手はいますか。
「期待というより、頑張ってもらわないといけないのは長野久義だね。坂本勇人は大丈夫だけど、長野がもう少し頑張らないと、巨人は浮上できないだろうね」
――伸びそうな若手は?
「一人もいない。重信慎之助にしても橋本到にしても、それぞれチャンスはもらっているんだけど、そのチャンスを生かしきれないまま、また二軍に落ちてしまう」
――巨人は若手が育たないとよくいわれますが、どこに問題があるんでしょうか。