――鳥谷の不調もあってか、16年の阪神はチーム打率リーグワーストを記録。貧打に泣かされました。

「タイガースは打線が弱かったら、意味がないんや。85年に優勝したとき、バース、掛布、岡田がクリーンナップや。ほな、投手は誰がおった? 言えへんやろ。タイガースは2点取られても3点、4点取って勝ってきた。投手は打者を育てられんが、打者は投手を育てられるんや。1点でも取られたら、アカンと思って投げるのと、2、3点取られても打線が取り返してくれると思って投げるのでは、ちゃうやろ。投手も余裕が生まれるし、腕が振れるやろ」

――打線の立て直しを図るべく、ドラフトでは白鷗大の大山悠輔を指名。賛否両論が沸き起こりました。

「ごちゃごちゃ言うヤツらもおるけど、打線の立て直しが、大きな課題なんやから、当然やろう。昔から強いチームには必ず自前の4番がいたもんや。今はFAやトレードが当たり前の時代やけど、優勝した広島、日ハムを見てみい。外国人除いたらほとんどが自前の選手やろ。大山、原口、高山でクリーンナップを組めるようになったら、タイガースは安泰や」

――投手陣では、藤浪晋太郎が5年目にして、初めて2桁勝利を逃しました。

「晋太郎が広島にいたら、20勝はしていたわ。メッセンジャーも15勝してたんとちゃうか。ただ、晋太郎も、打線が打たないことだけに目を向けていたら負けや。同期の大谷翔平がスターになってんのに、このまま差をつけられてええんかい。大谷を超えられるくらいの力は持っているんやから。ただ、今のままではアカン。マウンドで“今日はアカンわ”って首をひねっているようじゃな。調子が悪いときでも、“打てるもんなら打ってみぃ”ぐらいのハッタリをかまさな」

――最後に、阪神へのメッセージをお願いします。

「わしらがプロ野球界に入ったとき、先輩からこう言われたもんや。“この世界では、18、19のガキでも芸者遊びができるんや。そのためには力をつけなアカンで”と。プロ野球選手はサラリーマンが一生かけて稼ぐ金を、1年で稼ぐこともできる。周りから憧れの目を向けられる存在なんやから、そのことを、しっかりと自覚してほしいな」

 両球団には、大物OBたちからの叱咤激励に応えるだけの活躍を期待したい。

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