「巨人は人気球団なんで、二軍選手でもチヤホヤされてしまって、ハングリー精神がなくなってしまう。それと、試合ばっかりやっている今の二軍のシステムにも問題がある。二軍は試合より、基礎的な練習に時間を割くべきだと思うよ」

――高橋由伸監督の采配はどうでしょう。

「監督に決まるときのいきさつが特殊だったからねえ。本人は現役を続ける気満々だったのに無理やり準備不足で監督の座に座らされた。1年目は大変だったと思う。ただ、今度は言い訳がきかないから勝負の年だね。由伸監督は結構オーソドックスな野球をやるんだけど、そういう監督の場合は、選手が頑張らないと波に乗れない。自ら局面を変えるような采配を振るうわけじゃないから、最終的には選手が動いてくれないと、どうにもならないんだ」

――17年は、どのチームが出てくるんでしょう。

「広島は相変わらず強いんだろうけど、やっぱり巨人と阪神が強くならないと、野球は面白くない。巨人と阪神と、あと2チームぐらいで優勝を争うような展開になってほしいね」

■阪神OB・川藤幸三「打線が弱い阪神では意味ない! 打ち勝ってナンボのチームや」

――16年の阪神は、4位と4年ぶりにBクラスに沈む苦しいシーズンでした。

「喝入れろ言うても、喝を入れることなんかないわ。カネ(金本知憲監督)に1年目から、いきなり優勝を求めるのは酷やろ。カネは二つのことを期待されて、監督を任せられたんや。一つは優勝、もう一つは若手の育成や。16年は優勝を狙えんこともなかったんやけど、主力の選手が働かんかった。福留、鳥谷、ゴメス、西岡。誰や戦力になったんは。福留だけやろう。優勝を狙えんなら、もう一つの目標である若手育成に方向を変えざるをえなかったんやろう」

――確かに16年は、高山俊が新人王を獲得。北條史也、育成出身の原口文仁がブレイクしましたね。

「若手の抜擢は、カネの主力選手へのメッセージや。“そんぐらいで飯食えんのかい。プロはそんな甘い世界やないやろう”というな。鳥谷も13年間順調に成績を残してきて、16年が初めての挫折や。あんたらマスコミがいろいろと騒いどるが、批判されるのは一人前の選手の証。そんな野次に気を取られていたら、そこまでの選手。ただ、あいつは見かけ以上に腹はしっかりしているし、つべこべいわずに黙々とやる男や。“なにくそー”の気持ちで復活してほしいわな」

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