大久保氏自身も酒は好きで、昔は毎日飲んでいたそうだが、「今はその習慣を変えて、宴会は週に2回まで、酒を飲むときは水分も摂るようにするなど、自分のルールを決めて守るようにしたのです。そうしたら、翌日の体調が全然違うことを体感しています」

 さらに大久保氏は、「ぜひ食の習慣を見直してほしい」と強調する。「休肝日を設けることと併せて、食生活の改善はとても大事です。食の欧米化によって、日本でもメタボが増え、大腸がんなど大腸の病気が増えましたが、その欧米では、むしろ昔の日本食を健康的な食事として手本にしています。我々も、塩分を控えめにした昔ながらの日本の家庭の食事に立ち返るべきです。そう考えると、宴席での食事も揚げ物や焼き肉よりは、居酒屋の和食メニューから選ぶとよいのではないでしょうか。キムチや納豆、ヨーグルトなどの発酵食品も取り入れれば理想的です」

 そして、もう一つ、暴飲暴食以外にも、この季節には、お腹の大敵が現れる。それがウイルスや細菌による急性胃腸炎の流行だ。

「感染すれば嘔吐や下痢が起きるので、飲みすぎ食べすぎによるものとの区別が難しいですが、嘔吐や下痢の回数や程度が診断の目安になります。軟便で1日2~3回程度の下痢であれば、飲みすぎや食べすぎによるものと考えられます。しかし、水のような下痢が1日に5~6回以上続いて嘔吐を伴うようなら、急性の胃腸炎と考えたほうがよいでしょう」

 特にノロウイルスの感染による胃腸炎は、症状が激しいので、脱水症状を起こさないよう注意が必要。「気をつけてほしいことは、ウイルスや細菌などによって起きた下痢は、体が悪い物を出そうとする排菌作用なので、下痢を無理に止めてはいけないのです。それを、いつもの飲みすぎの下痢だろうと決めつけ、市販の下痢止めを服用して止めてしまうことは危険なので、自己判断しないようにしてください」

 年明けは仕事始めに新年会と、まだまだ宴会の季節は続く。保険料も引き上げられる2017年こそは、内臓をいたわり、病院の世話になるような事態を招かないよう、上手に飲み、上手に食べて健康的に過ごしたいものだ。

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2
  3. 3