島国ニッポンといえども広い。回転寿司店の出店が苦戦した地域もあるという。たとえば、中国地方。「岡山はシャコ、山口は関門海峡のフグ、島根は宍道湖の名物のスズキ、そして『ゲゲゲの鬼太郎』の町興しでも知られる境港(鳥取)は日本有数の港町。アジ、サバ、松葉ガニなどが有名です。山陰地方のネタは、実に魅力的」(田沢氏)

 しかし、前途は多難だ。「良質な海産物が豊富に獲れるため、一般の寿司屋でも、手頃な価格で食べられてしまうんです。回転寿司店が進出しにくく“回転寿司店泣かせ”と言われています」(前同) それはそれで良いのでは? とも思うが、新進の地元チェーン店が進出。岡山、広島では「抗争」必至の様相を呈している。

 他方、四国はまた独自の文化を発展させている。養殖が盛んな瀬戸内海側ではハマチ、鳴門のワカメ、太平洋ではカツオが有名だ。「高知は新鮮なネタをそのまま食べるので、かつては寿司文化があまり発達してないといわれていました。しかし、今ではレベルが上がり、わざわざ東京から、寿司目当てに旅行する方も多いですね。カツオのタタキを使った“土佐巻き”が有名ですよ」(グルメ誌記者)

 そして、沖縄。「寿司に使う平均金額」ランキングでいえば、最下位だ。とはいえ、現地の人々に聞けば、「めちゃくちゃマグロ食べますよ!」「ウニ大好き!回転寿司、最高!!」などと“寿司愛”を語る。地元ならではの食文化を保持してきた沖縄だが、「近年、『スシロー』など大手チェーンも開店したことで、回転寿司がより身近になりました」(那覇市民)

 変わり種のネタも、枚挙にいとまがない。「豚の耳皮を和えたミミガー軍艦、海ぶどう軍艦、ゴーヤー巻き、同じく地元でポピュラーなヘチマや、石垣牛の握りもあります」(田沢氏) どんなネタでも、文字を眺めているだけで、穏やかな気持ちに……壇蜜さんの言う通り、「回転寿司は幸福の象徴」ってことですね!

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