「もちろん、円楽本人も、司会への思いはあったでしょう。しかし、大方の予想を裏切るように、最年少で番組出演歴も最も浅い昇太が新司会に選ばれ、大きなサプライズに。円楽は、局側から“師匠のキャラクターは、回答者として絶対に必要です”と説得され、これを受け入れた。結果的に円楽は、この“大人の対応”によって株を上げ、同時に、これまで因縁の薄かった昇太とのバトルという、大きなネタを手に入れ、回答者の中での存在感を増すことに成功しています」(前同)

 実際、視聴率20.3%を記録した昨年12月11日の放送で、こんなシーンがあった。「今年の漢字を発表するというお題で、円楽が“友”と書き、親友との行き過ぎた関係性からその地位を追われようとしている韓国の朴槿恵大統領を揶揄。すると、すかさず昇太が“そこへ行くと(円楽は)友で失敗しないからいいですね”と腹黒で友達がいないという円楽のキャラをイジりました。すると円楽は、“お前は妻で失敗しないじゃないか。バカ、独り者、チビ”とやり返して、座布団4枚を没収されるはめに。このやりとりが、この日、最大の盛り上がりとなりました」(前出のテレビ誌記者)

 その後すぐに、円楽は手を上げて昇太の“昇”の文字を出し、「笑点50周年を機に、司会まで“昇り”つめました。おめでとうございます」と“腹黒キャラ”を全開に昇太にゴマをすり、座布団2枚をせしめ、また大きな笑いを呼んだのだ。

 12月25日の放送でも、司会の昇太に、「次の司会の交代は(2017年の)5月だ」「お前が司会になってから、座布団10枚が1回も出ねえな」と毒づき、存分に存在感を見せている。「こうした司会者とのバトルは、笑点の最大の醍醐味であり、伝統です。円楽の最も得意とするところで、他の追随を許しません。番組の支配者は、昇太ではなく、円楽というのが、落語関係者の見方になっています」(前同)

 切れ者・円楽のことである、そこまで読んでいた可能性もありそうだ。

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