そう考えると、日本の役割はますます重要になる。昨年暮れの日露首脳会談で北方領土問題は進展せず、3000億円の経済援助だけ引き出されて「安倍外交の敗北」と野党に批判されたが、極東事情に詳しい政治記者は、こう言うのだ。

「そもそも、ロシアの対日最大の外交カードである北方領土が、そんな簡単に戻ってくるわけがない。それを抜きにしても、大きな一歩であったことは間違いないですね。長期的にみると、日露両国が平和条約締結へ向けて前進したと言えます。事実、今回の日露交渉に、中国政府は相当な焦りを見せているんです」

 日露の接近、それは日米露3国が足並みを揃えて中国への包囲網を築くことにもつながっていく。「だが、中国もやられっ放しではない。習国家主席は副首相級をメキシコへ派遣し、両国の関係強化を約束させました。ご承知の通りメキシコは、トランプ氏が壁を作るとまで言って、不法移民問題で批判した国。中国はそのメキシコを抱き込み、アメリカの軒先に、強烈な楔を打ち込むことに成功したんです」(前同)

 他にも中国は、「バイバイ、アメリカ」と米国との決別宣言をしたフィリピンの“狂犬”大統領のドゥテルテ氏にも急接近し、さらに、水面下でも不穏な動きを見せている。

「日米露の3国に台湾が加われば、包囲網はより強固になる。そこで中国は、その台湾を牽制しようとしているんです。西アフリカの島国サントメ・プリンシペは、97年に台湾を正式な国家として承認し、中国との外交関係を絶ってきました。だが、このほど同国が、20年に及ぶ友好関係を破棄。台湾との国交断絶を決めたんです。これに中国が関与しているのは疑いようはなく、まもなく、サントメ・プリンシペと中国の国交が樹立すると見られています」(同)

 トランプ大統領就任をきっかけに、世界中を巻き込んだ米中の覇権争い。当然、日本にとって猶予ならない事態が近づいている。

「あってはならないことですが、窮鼠猫を噛むの喩え通り、いずれ追い込まれた習近平氏が世界のどこかで戦端を開くことになるかもしれません。アジアの覇権を狙う中国から見て、地勢的に尖閣諸島や沖縄は、その危険性ゼロとは言えないでしょうね」(あえば氏)

 緊迫の南シナ海情勢はほんの前触れ。2017年、トランプ政権誕生で“新たな事態”が起こる……!?

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