ちなみに、納豆を食べる際に、ネギやカラシなどの「薬味」は使うだろうか? 永山氏は、食事に薬味を取り入れることは非常に体にいいと話す。「薬味には、食中毒の予防や酸化防止の“毒消し作用”に加えて、主役の食品に欠けている栄養素の補給の意味もあるんです」

 ネギには、ビタミンCや抗菌・抗カビ作用と体を温める作用がある硫化アリルが含まれている。他にも、ゴマには、抗酸化作用や免疫力強化作用に加え、内臓の働きを良くする効果がある。シソは、がんや生活習慣病を防ぐベータ・カロテンの含有量が野菜の中でトップクラスだ。このように、薬味は長寿の素とも言える存在なのだ。

 一方、飲み物で代表的なのが、コーヒー。平良氏によれば、先の大宜味村で長寿を保っている人の多くに、コーヒーを飲む習慣があったという。「抗酸化物質であるポリフェノール含有量は、赤ワインに匹敵するほど。コーヒーを飲む習慣が脳卒中などの危険性を低下させていると考えられます」(平良氏)

 さらに、食事以外の長寿の秘訣を話すのは、新潟大学名誉教授で医学博士の岡田正彦氏だ。『ほどほど養生訓――こうすれば健康長寿になれる』(日本評論社)などの著書もある予防医学の第一人者である。その岡田氏は、“少しきつい運動”を推奨する。

「毎日運動している人は、ほとんど運動していない人に比べ、8年後の死亡率が35%も低いというデータがあります。たとえば散歩でも、ただダラダラ歩くのではなく、少し脈拍数が増え、多少の汗が出るくらいの早歩きがオススメです」(岡田氏)

 “少しのきつさ”の目安は、脈拍数なら1分間に<165回-年齢>だという。50歳なら115、60歳なら105というわけだ。

 前出の三浦氏の場合も、できるだけ歩くことを心がけ、歩く際、通常より重い「ダンベルシューズ」を履いたり、足にアンクルウエイト(重し)をつけて負荷をかけているという。

 さらに岡田氏は、意外な生活習慣に警鐘を鳴らす。それは「テレビの見すぎ」。なんと、1日4時間以上テレビを見ている人は、平均寿命が顕著に短いという。

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