差はわずかながら、チーム力3位となったのが、30億円の大型補強を敢行した巨人。弱点といわれていた投手陣とセンターラインを強化し、マギーという大砲も獲得。満点に近い補強ができたと球団関係者は胸を張るが、不安も多い。

「マギーの獲得でポジションのかぶる阿部、村田のどちらかを控えに回さざるをえなくなったのは、火種になりかねません。抑えの切り札として獲得したカミネロは、160キロを投げるものの、制球に難がある。巨人の獲ってくる外国人はハズレが多いので……」(スポーツ紙記者)

 そして、要のポジションである捕手の小林誠司は力量不足。今年も、巨人は不安要素が多い。

 4位となってしまったのは、金本体制2年目の阪神。昨年の低迷は、チーム打率.245というリーグワーストタイの貧打が原因。これを解消するべく、糸井嘉男を獲得した。

「ただ、貧打はもちろんですが、昨季、藤浪が7勝11敗しているように、投手陣も弱体化しています。タレントはそろっているので、彼らが全盛期のような活躍ができるかどうか」(前同)

 昨季の下位2球団には戦力の上積みもなく、厳しいシーズンとなりそうだ。「まず、ヤクルトは投手陣が脆すぎる。チーム防御率は4.73と12球団ダントツの最下位。これではいくら山田が打っても勝てません。中日に関しては、落合GMの退任と森繁和新監督の就任でどう変わるかですが、まだまだ戦える戦力ではありません」(同)

 パ・リーグに話を移そう。チーム力1位となったのは、昨年の覇者・日本ハムだ。「投では吉川、打では陽岱鋼がチームを去りましたが、選手の層が厚く、チーム力はいささかも落ちていませんね」(ベテラン記者)

 投打にわたりチーム力を引き上げたのは大谷。前述のように、WHIP.960は12球団の先発陣で1位。OPS1.004はリーグ1位とまさに超人的な数字。

「大谷、有原の2枚看板は健在ですし、日ハムの打線はしぶとい。打率でリーグ26位の中田が打点王に輝いたのは、それだけ1、2、3番の出塁率が高いということ。1番の西川は73個の四球を選び、出塁率は4割を超える。ファウルで粘ることも多く、西川と2番・中島のファウル数はリーグ1位、2位。このしぶとい打線が崩れなければ、連覇は十分にあります」(前同)

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