「彼らは、電子カルテの書き込みでいっぱいいっぱいなんでしょう。診察室に入ったときに、患者の顔を見ない、聴診器も当てない医師が増えているといいます。医療の基本は、まず脈を取ること。死亡を確認するときも脈を取りますが、その基本さえやらない病院も存在するわけです」

 そして、こう続ける。「当然のことですが、薬を山ほど出す病院は要注意。いい医者とは、処方する薬を1~2剤だけに留められる人のこと。大量に薬を出すのは“毒”でしかありません。風邪を引いただけで、喉の薬、胃薬、入眠剤、痛み止め……と際限なく処方する医者は、自分の腕に自信がない証拠」

 あくまで、患者の治癒を“お手伝い”するのがドクターのあるべき姿のようであるが、「抗生物質を多用する病院も危険です。風邪の原因はウイルス感染ですが、抗生物質はバイ菌に効くもので、ウイルスには効果がありません。こうした処方は問題で、昨年の『伊勢志摩サミット』でも議題に上っているほど」(前出の牧氏)

 日本政府も、2020年には国内使用の“3割減”を目標に掲げている、この“抗生物質”問題。かたや、処方箋をもらった患者が足を向ける“院外薬局”でも、病院の良し悪しが分かることも多々あるようだ。

「院外薬局には薬剤師がいて、専門的な視点から薬の飲み合わせを見ています。医師の処方が適切ではないと判断した場合、電話で病院に問い合わせて、薬を一部変更するこれが、健全な医師と薬剤師の関係です。しかし、病院が“主”で、薬局が“従”と考える傲慢な医師もいて、薬剤師の意見を無視する。これが厄介で、薬剤師も“仕事だから”と割り切り、医師に問い合わせるのを諦め、正しい薬の処方がなされないケースも出てきます」(前同)

 防御策としては、かかりつけの院外薬局を1つ決め、薬剤師と密な関係を築くことだという。「そのためには、“お薬手帳”を活用して、処方された薬の情報を一元化することが前提です」(同)

 自己防衛に手間ヒマかけるのは正直、面倒だけど、病院に“殺される”よりはまだマシですな……。

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