お次のテーマは“検査”。必要以上にあれこれ検査をする病院は、ある魂胆があるという。金儲けだけではないようだ。前出の牧氏が、こう指摘する。

「近年、医療事故への訴訟も少なくありません。弁護士も増え、こうした医療問題を専門に扱う人もいるほど。“医療訴訟の時代”と言えます。そうした中、裁判では、“○○検査を実施しなかったことが病状悪化の原因”と追及される場面も多く、病院側は、いざというときのために必要以上に検査を行うのです」

 困ったときは、1つの病院に頼りすぎず、他の医師の声も聞く――セカンド・オピニオンが、こうした病院の“蛮行”を堰き止めてくれるはずだ。行ってはいけない「激ヤバ病院」を見分けるポイントは、まだまだある。

 前述の横浜の大口病院に話を戻してみると、「この病院は“終末期医療”という言葉を掲げていた、という報道がなされてきました。しかし、本来、こうした言葉は医療界に存在しません」(前同)

 また、一方では、こうした指摘もある。「大口病院では、特定の医療法人グループの中で、患者を回していたという話もあります。これが事実だとしたら、第三者の目が行き届きにくい環境が、くだんの大惨事を引き起こした遠因と言えます」(医療法人関係者)

 通常であれば、さまざまな医療法人が各地域に存在し、大学病院、民間の病院、リハビリ病院……と、医療法人の垣根を越えた、横断的なネットワークが形成されるものだという。同じ法人内での“たらい回し”には怒るべし!

 他方、かかる前にチェックできるのは、病院の“外面”。「医師数に対し、診療科目がやたら多い病院は要注意です。“客寄せ”のために、誇大広告のようなことを掲げているに過ぎません。診療受付時間が異常に長い病院も危ない。土・日・祝日に常時、診察するのも、明らかな“客寄せ”で、医療の質が高いとは言い難いものです」(前同) 加えて、病院の“中”での連携も気にかけたい。

「看護師が定着せず、コロコロ変わる医療機関は用心です」と言うのは、前出の現役医師・A氏。その裏側には、のっぴきならない“大人の事情”が存在するという。「病院では慢性的な“看護師不足”にあるものの、毎年およそ4万人の“新看護師”が誕生しています。でも、彼らは常勤では病院に勤めません。派遣会社に登録するのです」(前同)

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