小久保侍ジャパン「WBCで世界一奪回」のカギの画像
小久保侍ジャパン「WBCで世界一奪回」のカギの画像

 王者の椅子から遠ざかって早8年。その栄冠を取り戻すべく船出する野球戦士たちの起用法はこれだ!

 4年前の雪辱を果たす時がやって来た。3月7日からワールド・ベースボール・クラシック2017(以下、WBC)が始まる。

 それに先駆け、出場メンバーが発表されたのだが、その顔ぶれに対し、野球ファンの間では「史上最弱」などという落胆の声が、あちこちから聞こえてくる。「メンバーは国内勢中心の構成で、現役メジャーリーガーで選ばれたのは、青木宣親ただ一人ですからね。さらには国内組でも、地味な選手が多いですから」(スポーツ紙記者)

 第1回WBCの優勝メンバーで正捕手だった野球評論家の里崎智也氏も、「日本の投手陣のトップはみんなメジャーにいるわけで、それが揃いも揃って出場辞退というのは、小久保監督にとっては大きな誤算だと思います」

 ダルビッシュ有、田中将大、前田健太、岩隈久志など、メジャーの打者と直接対決し、長所も弱点も知り尽くしているメンバーの不在は、やはり大きな戦力ダウン。そのうえ、昨シーズンのセ・パの最多勝投手である野村祐輔、和田毅、それにパの首位打者である角中勝也をはじめとした各球団の中心選手が選ばれていないことに、疑問を感じるファンが多いのも無理はない。

 しかし、一見、物足りなく見えるこのメンバー構成には、深い意味がある。里崎氏が解説する。「日本が世界で勝つには、コツコツと打線をつないで得点をもぎ取り、高い投手力と守備力で、虎の子の得点を守り抜く野球、いわゆるスモールベースボールを貫くしかありません」

 ガンガン打つだけのホームランバッターや、エース級の選手だけを並べても、勝てるとは限らないのが野球というスポーツ。第1回、第2回のWBCの優勝は、緻密な野球を貫いた結果、得ることのできた果実だ。今回召集されたのは、そうした考えに基づいて厳選された現時点でのベストメンバーだと言える。メンバー発表時の会見で小久保裕紀監督が“目標は世界一”と語ったのも、決してリップサービスではないのだ。

 まず投手から見ていこう。先発の中心となるのは大谷翔平、菅野智之、石川歩、則本昂大だと、小久保監督は言っている。残念ながらエース候補の大谷翔平は出場辞退となってしまったが、他の3人も「立ち上がりの安定感と防御率が抜群ですからね」(スポーツ紙デスク)

 しかしWBCにおいて、先発投手以上に勝敗の鍵を握るのが、“第2先発”だ。「“球数制限”というルールがありますからね。いつまでも先発投手が投げ続けるわけにはいかない」(前同)

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