それは「コイン持ち」。小役の払い出し等を受けて、一定のコインでどのくらいのゲーム数が回せるか。つまり、どれだけ長く遊べるのか、です。

 ペイアウトの際に、設定1を考慮したように、こっちではボーナスを引けずにハマることを考える。上記2項目で優秀な値を持つ『クランキーセレブレーション』の設定1はコイン50枚で「33.99ゲーム」。これはけっして少ないほうではないですが、ノーマルタイプの機種の中では多いほうではありません。

 同じアクロスの『ハナビ』なら「34.90ゲーム」。千円あたり1ゲームも長い。また、設定1のボーナス確率が『クランキーセレブレーション』や『ジャグラー』よりもやや重めですが、『ニューキングハナハナ』(パイオニア)なら50枚で「38.00ゲーム」を回すことができます。つまり、「まったくボーナスを引けない」のであれば、一番負けにくいのは、この中なら『ニューキングハナハナ』と言えるわけです。

 しかし、そう簡単じゃないのがパチスロってもんでして。そもそもね、こっちも当てようと思って座っているわけですから、ハマるぞーって座る人はおらんのです。しかも、打ち始めてから当たるかどうかは運も大きく絡みますし、短時間ならなおさらです。仮に高設定の台に座っても、性能を生かせずに負けることもしばしばでしょう。そもそも、高設定だってあったりなかったり、空いていたり埋まっていたりしますから。

 ……と、いった具合に「なるべく負けを少なくする」に目的を絞っても、どんな状況でもこれだという万能な機種をあげることはできません。しかし、「負けないためには」というテーマを考えてきたうえで、共通していた条件。それは、

「最悪の場合を考慮する」

 これが、より負けない最大の武器になります。座った台が最低設定の設定1だった場合、まったくボーナスを引けずに終わった場合、小役すらまともに引けなかった場合……それらを想定すれば自分の背負うリスクの最大値が見えてきます。「思いのほか負けた」なんてことにならず、起こるイレギュラーはすべてプラス。これほど万能な状況はないんじゃないでしょうか。

 パチスロライターも10年やってると、だんだん自分のことが分かってまいりました。スランプ中は誰かに言い聞かせるように原稿を書いて、わたくし、明日の自分に刷り込んでおります。明日からパチスロの前で起こるイレギュラーは、すべて僕にはプラスだぜ!

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2