「前者は腹部の大動脈の一部がコブのように拡張した“腹部大動脈瘤”、後者は足の動脈硬化が進んで起きる“閉塞性動脈硬化症”の典型的症状です」(救急病院スタッフ)

 続けて、牧氏が補足する。「腹部大動脈瘤の他の症状としては、腹部がドクドクする感じや、塊があるように感じることが挙げられます。閉塞性動脈硬化症は、5分ほど歩いただけで脚がだるくなります。加えて言えば、脚の冷えを伴います。脚の動脈硬化で、十分な血液が送られていないためです」

 ちなみに“脚”でいえば、“脚のむくみ”もよく知られた心臓疾患の兆候。これは心臓のポンプが機能せず、血液が下(脚)に沈みがちになってしまうからだ。

 諸悪の根源になり得る“親玉”――動脈硬化。岡部氏は、専門医で数千円でできる“酸化LDL検査”をオススメする。「酸化LDLは、血管を詰まらせる“突然死の主犯”LDL(悪玉)コレステロールが酸化した、最悪のもの。この数値を計測するのが“酸化LDL検査”です」 数値を見て、改善すべき点があれば見直せばいい。検査は重要なのである。

「脳卒中の中で大きな割合を占める“くも膜下出血”は、コレという兆候が見られないケースも多々あるんです」と話すのは、岡田氏。これもまた、事前に検査で兆しを発見するしかないという。

 岡部氏は、本誌読者にこう自愛を促す。「もし、あなたの親族に、“くも膜下出血”を起こした人がいるなら、注意してください。一度、脳ドックで詳しく検査したほうがいいでしょう」

 兆候だけを気にするばかりではダメ。検査で見えるものは、たくさんある。「一度でも失神したことがある方は、突然死のリスク要因の一つである“重症不整脈”の可能性もあります。循環器内科で、精密検査を受けてください」(岡田氏)

 ピンピンコロリが一番と言うけれど、これらの疾患は後遺症を残すことも多々ある。とにかく、日頃から気をつけるべし!

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