【経済】残業代カットで副業が必須に!? 一億総“貧乏暇人”化が止まらない

 大企業が所属する経団連の発表によれば、冬のボーナスの平均額が過去最高を更新したとか。実感は全然ないが、17年の日本経済は、ついに上向きか――!? 「輸出関連企業の業績はアップしますし、社員の昇給も望めますが、残念ながらそれは一部。為替差で収益が増えただけで、物が売れるようになったわけではないので他の企業の給料が上がるわけではありません」と語るのは経済ジャーナリストの須田慎一郎氏。そう、大企業のボーナスアップは単なる円安の恩恵。残念ながら我々庶民の給料には、あまり影響がなさそう。

「給料アップは期待できませんが、ノー残業デーを実施する企業が増えるなど、時間の余裕はできるでしょう。その時間を使って副業をするなり、勉強をして仕事に生かすなど、自分で努力して収入を増やすしかないですね」(前同)

 貧乏暇なしよりはマシだが、貧乏暇人というのも……。それゆえ、17年は“コスパ信仰”が、さらに強まりそうだ。「牛丼屋でも、牛丼より割安な豚丼が売れていますし、ユニクロも値上げで失敗。家電も高機能高品質より、ある程度の機能で安い物が好調。ただ安いだけではダメで、価格に対しての満足感が求められます」(同)

 暇も増え、しっかり吟味できる分、財布の紐はますます堅くなるということか。一方、唯一の明るい話題は“カジノ法案”とも呼ばれるIR法案。「本来は国際展示場を建設し、その会場運営費をカジノで賄おうという考え。展示場は、貿易や観光で日本を世界にアピールするためには必要なんです。今後、日本が成長するための鍵になると思います」(同)

 貿易といえばTPPも気になるが、米トランプ次期大統領の離脱表明は、我々にどんな影響を与えるのか。「TPPの代わりに日米間で、なんらかの貿易協定を結ぶはず。関税撤廃で安くなる輸入品もあるでしょうが、現状でも実は関税はそれほど高くない。変わりそうなのは食品表示。たとえば日本では遺伝子組み換え食品の表示が義務化されてますが、米国流に倣い、表示が撤廃されるかもしれません」(同)

 日本経済にとっては、海外に振り回されっぱなしの年になりそうだ。

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