昨年引退した元横浜の三浦大輔氏に「200勝しろよ!」とハッパをかけられていたという杉内。「現状142勝とまだ遠いですが、制球力を武器に上原浩治(41=カブス)のように長く活躍できれば、可能性はありますよ」(前同)

 一方、阪神のかつての守護神・藤川球児(36)も、復活を期す松坂世代の一人。昨年、久しぶりに縦ジマのユニフォームに袖を通し、虎ファンを狂喜させたが、5勝6敗10ホールド、3セーブという微妙な成績に終わった。今年こそ、藤川らしい豪速球を復活させて三振の山を築いてほしいものだが、実は彼も“技巧派”への変身を模索中だという。

「年を取って衰えを認め、豪速球で鳴らした過去のイメージを引きずるのではなく、投球を変えようと必死で努力しています。オープン戦で投球の質を上げていけば、貴重なセットアッパーとして再生する可能性は大いにありますよ」(橋本氏)

 昨年、広島カープが優勝に沸く中、唯一、蚊帳の外だった梵英心(そよぎえいしん・36)も同世代。「低迷時代の広島を支え続けた功労者ですが、昨年はほとんど二軍暮らしで、一軍昇格後も無安打。優勝チームの一員でありながら悔しい思いをしただけに、今年に賭ける思いは強いはずです」(スポーツ紙デスク)

 松坂世代より上の選手たちも頑張っている。今シーズンに活躍してくれそうなのが、楽天の松井稼頭央(41)だ。昨年は不振を極め、打率.213、本塁打2、打点13に終わったが、野球評論家の黒江透修氏は、沖縄のキャンプ取材で松井の「やる気」を感じたと言う。

「2月22日、巨人とのオープン戦の前に松井と会ったとき、今年に賭ける意気込みを感じたね。生真面目すぎる男だが、“頑張れよ”と声をかけたら、変に気負うことなく明るい声で“頑張ります”と返してくれた」 その22日「6番・左翼」で先発出場した松井は、ノーアウト一、二塁で迎えた第2打席で先制適時打。今年はやってくれそうだ。

 阪神の鳥谷敬(35)にも注目したい。昨年は28打席連続無安打を記録し、連続フルイニング出場も途切れるなど低迷。定位置だったショートを若手の北條史也(22)に渡す屈辱も味わった。「しかし、今年は“勝負の年なので、ポジションにこだわらずレギュラーが取れる場所で戦う”と明言。闘志を表に出すタイプではないですが、どこか欲のない感じだった昨年と違い、生き残りへの気合いを感じます」(在阪スポーツ紙記者)

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