しかし、いくらデム・ルメとはいえ、負けるレースのほうが多いのは事実。前出の土屋氏は、2人が勝たない確率が高いレースを見分けるコツをこう解説する。「まず、ルメールの狙い目は乗り替わりです。重賞での1番人気では[13・9・5・6]で複勝率81.8%と安定感が半端ではないんですが、平場のレースも含めた乗り替わりでの騎乗は[7・10・4・52]で勝率9.6%と、ルメールにしては物足りない数字になっています」

 ちなみに前走から続けて騎乗した場合、[17・14・12・21]と好成績を収めている。意外なのは、ルメールから他の騎手に乗り替わった場合。[24・23・20・89]と勝率15.4%、連対率30.1%とけっこう高く、これは押さえておきたいところ。「一方のデムーロは、乗り替わりでも[23・6・8・41]の勝率29.5%という高い数字を出しています。特に外国人騎手からの乗り替わりでは8戦5勝ですから、かなり信頼できます」(前同)

 乗り替わりでも好成績を残すデムーロに、弱点はないのだろうか。「デムーロにも苦手とするコースがあるんです。それが、東京の芝、ダートとも1400メートルや京都芝1400メートル外回りですね」(同)

 確かに、デムーロの東京ダート1400メートルや京都芝1400メートルは単勝回収率が30円を切っている。「一方のルメールは京都ダート1200メートルや中京の芝、ダートとも1400メートルを苦手としています」(同)

 当該コースでのルメールの単勝回収率は20円を切るほど低いのだ。数こそ少ないが、中京ダート1400メートルに至っては18戦未勝利となっている。「面白いのが、たとえばデムーロが[1・6・4・19]と最も苦手にしている東京ダート1400メートルで、最も勝率が高いのが[15・13・9・27]という成績のルメールで、逆にルメールが[3・3・4・27]と苦手にしている京都ダート1200メートルでは、デムーロが[13・7・6・25]と一番成績がいいんです」(同)

 というように、片方が苦手としているコースは、もう片方が得意にしている傾向があるという。「2人は、イメージからも騎乗のタイプが異なりますが、実際にデータで見ても、そのあたりがハッキリしていますね。あとは、この2人が苦手とするコースでは、総じて浜中俊の成績がいいですね」(同)

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