巨人「4番ファースト阿部慎之助」で見えた優勝ロード の画像
巨人「4番ファースト阿部慎之助」で見えた優勝ロード の画像

 主砲が打てばチームは勝つ。単純だが奥深い真理を証明するため、この男は右に左に華麗なアーチを架けてゆく!

 開幕から怒濤の連勝街道を突っ走った巨人。打線の中心・4番に座る阿部慎之助(38)が、打率.375、本塁打5、打点17(4月13日現在)と、鬼神のごとき活躍を見せている。巨人V9戦士で野球評論家の黒江透修氏も、阿部の打撃を絶賛する。

「下半身がしっかりしているから、泳がされたような外角低目の球もスタンドに持っていく。3~4年前の“いいとき”に戻った感じ。ファースト一本でやると気持ちを切り替え、下半身を鍛えたんだろうね」

 阿部自身も「キャンプでは、あまり好きではないウェイトをやった。長打を求められるし、それに対応できるように」とインタビューで語っており、その結果が出たということだろう。

 15年までの阿部は、豪打の捕手だった。2001年のプロデビューからマスクをかぶり、10年には44本塁打を記録。12年は打率.340、104打点の2タイトルを獲得し、本塁打も27本でバレンティンに4本差と準三冠王の成績で、MVPに選出された。チームも12年は交流戦、ペナント、クライマックスシリーズ、日本シリーズ、アジアシリーズを制し、完全優勝を達成。その後も阿部の活躍で13年、14年と巨人はセ・リーグ3連覇を果たしている。阿部の年俸もうなぎ上りで、14年は歴代日本人3位の6億円に達した。

 しかし、その後は急降下。15年は5億1000万円、16年は3億2600万円、今季は2億6000万円と、3年で3億4000万円のダウンとなった「14年オフに、たび重なるケガを理由に、阿部は捕手から一塁にコンバート。しかし、15年は相川亮二のケガで、開幕直後の4月3日に捕手に復帰。しかし、阿部自身もケガを繰り返し、結局、打率.242に終わった」(スポーツ紙デスク)

 高橋由伸監督が就任した昨16年、再び阿部は捕手として登録されたものの、右肩痛で出遅れ、一軍合流は、開幕から実に51試合目の5月31日だった。「結局、昨季は捕手としての出場はなし。これでようやく、ファーストで、と踏ん切りがついた」(前同)

 今年1月には、グアムでの自主トレに正捕手・小林誠司を帯同。小林はそこで阿部に、「なんでも全部教えてやるから。お前が変われば絶対勝てるようになるから」と告げられ、マンツーマンで、みっちりと帝王学を叩き込まれている。

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