そんな稀勢の里包囲網を敷くモンゴル勢に対し、貴乃花親方は以前から、わだかまりがあったという。「朝青龍時代から“星”のやり取りをしているとの疑いが根強いんです。大勢が決した後、上位陣の間で、星のバランスを取る程度ですが、無気力相撲の一因とされ、現役時代ガチンコで鳴らした貴乃花とすれば許せないでしょうね」(相撲専門誌記者)

 そこに喝を入れようと、ガチンコ力士の“後継者”として頭角を現しつつあった稀勢の里を11年に大関昇進させるべく推挙したのが、貴乃花親方だったという。さらに、貴乃花親方と白鵬の間には、ある事件が。

「昨年の巡業中、巡業部長の貴乃花と横綱の白鵬は同じバスに乗っていたんですが、途中のサービスエリアで休憩を取った際、白鵬がまだバスに戻ってきていないのに、貴乃花は“出発しろ”と運転手に指示。白鵬を置き去りにしたんです」(前出の夕刊紙記者)

 いったい、なぜ……。「巡業中のバスでは、貴乃花親方の座る席が決まっているんです。だが、ある日、白鵬はその席に座って、ふんぞり返っていた……ケンカを売ったのは白鵬のほうです」(前同)

 なぜ、白鵬は挑発を? 「白鵬は引退後、親方になりたい。そのため、一代年寄りになることが必要なんです。だが、親方は日本出身か日本国籍取得者のみ。母国の父親が帰化に反対していることもあり、白鵬は“例外”を作ろうと必死なんです」(前同)

 しかし、故・北の湖理事長は“例外”に否定的で、今の八角理事長はその路線を継承。白鵬は、昨年の理事長選で八角親方と争った貴乃花親方に期待を寄せた。「貴乃花親方は理事長選の敗北後、白鵬の件を含め、現理事長の意向に従うと発言していましたが、ダメ押しとばかりに3月5日のトークショーで、白鵬の一代年寄について“それは難儀なんじゃないでしょうか”と完全否定したんです」(前出の相撲専門誌記者)

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