政界の“台風の目”が、小池氏の「豊洲移転ストップ」に牙をムキ出しにしたのだ。いわく、<地下水に環境基準を適用させる必要もない>と、“地下水は、生鮮食品には関係ない”とするそもそも論をブチ上げ、<小池さんは総合的に判断するとしか言わない。それはダメだ。どうなれば移転して、どうなれば移転中止にするのかの基準を早く定立すべき>

 弁護士ならではの口ぶりで、政治家特有のあやふやな言い回しをブッタ切り、<外部顧問チームの意見だけで移転延期判断をやった小池さんの意思決定こそ100条委員会で追及すべきテーマだ> 石原慎太郎氏と同様、都のトップとしての責任を問われるべきだと断言した。

 加えて、橋下氏の古巣・日本維新の会は「豊洲・築地問題合同調査チーム」を発足。「老朽化した築地市場の豊洲移転こそ“都民ファースト”」との提言を東京都に突きつけ、“反小池”の急先鋒となった。

「ここ100日ほどで、風向きが変わってきたんですよ」と言うのは、ベテラン政治記者。「昨年夏、小池さんが都知事に就任した後、河村たかし(名古屋市長)、渡辺喜美(日本維新の会副代表)らの間で、東京・名古屋・大阪の“三都連合”を結成する動きがあったんです。その時点では、橋下氏と小池氏は良好な関係でした」

 ただ、蜜月はさほど続かず、昨年末からは関係が急速に冷え込んだという。小池知事が、「(橋下氏には)大阪で改革に取り組まれた実績があり、ぶっちゃけ、そのへんの話を伺いたい」と、自身の政治塾『希望の塾』の講師に、橋下氏を招こうとした折のことだ。

「橋下氏は、正式に小池氏サイドへ返答する前に、ツイッターで<こんなややこしい仕事はやらない方がいい>と言ってしまった。それを耳にした小池知事がカチンときて、事務方に確認した結果、ご破算になったという話です」(在阪記者)

 “場外バトル”は連鎖を生む。これに加えて、日本維新の会代表の松井一郎大阪府知事が、「民間人の彼(橋下氏)を便利使いしようとするのは間違っている。あまりにも考え方が“事務方ファースト”だ」と大マジに批判。ちょっとしたすれ違いに見えるが、ここまで悪しざまに言うのにも理由がある。前出の政治部記者が言う。

「3月末、松井代表が大阪から東京へ乗り込み、日本維新の会の党大会を都内のホテルで開いたのは、明らかに小池氏を意識した動き。小池氏の『都民ファーストの会』はあくまで地域政党ですが、そこを母体に、小池氏が国政へ進出するのは必至です」

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