本誌のレギュラーコメンテーターのお笑い芸人・ユリオカ超特Q氏も、そんなたけしの温かさに触れた一人だという。「かつて深夜に放送されていた『北野タレント名鑑』(フジテレビ系)に、僕が出演することになったときのことです」(ユリオカ氏)

 実はユリオカ氏は、それより以前、自分の師匠の大竹まことが、たけしと共演する『TVタックル』(テレビ朝日系)の収録の際、何度もスタジオまで、自分の師匠について行っていたのだという。その当時、ユリオカ氏から見て、たけしは雲の上の大スター。言葉を交わすどころか、目を合わせたこともなかった。

「でも、『~タレント名鑑』の収録前に、ご挨拶に伺ったら、たけしさんは“おぉ、久しぶり。いつも、おか持ちみたいな顔していたな”と、ちゃんと覚えててくれたんです。本当に驚いたし、うれしかったです」(前同)

 そんな、後輩たちにも気配りするたけしに対して、さんまは、「そのストイックなまでの“お笑い求道精神”がカッコいい」と評価されている。最近では、4月10日に放送された、元SMAP(スマップ)の木村拓哉との特別番組『さんタク』(フジテレビ系)では、こんなひと幕が。番組内の企画で、木村がさんまの一日付き人になった際、移動中の車内で語られた言葉だ。

 さんまは現在も、「ずっと自分で運転し、一人で移動している」という。その理由を、こう語ったのだ。「マネージャーがおらんと、いろんな人や出来事に自分で対応せなアカンやろ。イヤなこともあるけど、面白いことがあったりすんねん。停車中に、隣にものすごいかわいい女の子がおると、ガラス越しに口パクで“電話番号教えてくれ”と言うたりしてな。でも、青信号になったら、向こうがバーッと行ってしもうて、哀しい失恋になったりとか、あるやんか」

 運転手やマネージャーがいると、笑いのネタにあふれた日常に接することができなくなる。その姿勢は見事のひと言。また、4月8日に行われた、脚本家・三谷幸喜のトークショーで披露された、さんまとのエピソードからも学ぶことは多い。

「三谷さんが、監督&脚本を務めたコメディ映画『ギャラクシー街道』が酷評されて、悩んでいたときのこと。さんまさんが以前、“お客の笑いと自分の笑いが、いつか一致しなくなったときの不安がある”と言っていたのを思い出したそうです」(トークショーの参加者)

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