さまざまな場所で耳にする“プレミアム”という言葉だが、そのほとんどが実生活には関係のないもの。その中で唯一、我々に特別感と幸福感を与えてくれるのがコンビニ各社のプレミアム商品だ。
通常の商品に、わずか数十円から数百円の値段を上乗せしただけで、驚くほど美味しく変身させてくれているのは誰もが知っているだろう。中には、口に含んだ瞬間に、「マジで!?」「わざわざ専門店に行く必要がないじゃん!」と驚いた経験を持つ人も多いはず。
そんなプレミアム商品の扱いだが、経済誌記者によると、コンビニ大手3社には大きな違いが生まれてきているという。「セブンゴールドというカテゴリーを設けて、あっと言わせるプレミアム商品を世に送り出してきたセブンイレブンですが、その種類は減少傾向にあります。一方でPBブランドをセブンプレミアムと称し、より多くの商品を高品質にする方向のようです」
PBブランドとは、小売店が製造メーカーと共同開発する商品。一般的には、値段が割安になることで知られている。「セブンは、コンビニ界の王者として存在し続けるために、全体的な品質向上に取り組んでいて、値段を少し高めに設定した“隠れプレミアム商品”が店内には多く存在しているんです」(前同)
つまり、明確に“プレミアム商品”とは謳っていないにもかかわらず、実際は特別豪華版という消費者にはうれしい品が増えているというわけだ。その隠れプレミアム商品が多いのは、ローソンも一緒だという。
「美や健康をテーマにしたナチュラルローソンを展開しているローソンは、“ナチュロー”で展開してきた商品を通常のローソンでも売り出していることが、隠れプレミアム商品が多くなっている要因です。それ以外にも、おにぎりやパン、スイーツに加えて、ホットスナックコーナーで多くの高品質商品を置いていますね」(同)
さらに、「まちかど厨房」と銘打って、店内で調理して、作りたて弁当や総菜を提供する店も増えている。また、毎月最終金曜日に設定された「プレミアムフライデー」限定の特別商品を、積極的に展開しているのも大きな特徴だ。
そんな2社に対し、堂々とプレミアムの看板を掲げているのが、ファミリーマートだ。しかも、ファミマのプレミアム商品は、業界関係者も驚嘆するほど高品質だというのである。