【昭和スター篇】勝新太郎は店の客100人とハシゴ!

 現代のスターたちもすごいが、やはり昭和のスターのスケールの大きさにはかなわない。まさに“伝説”と呼ぶにふさわしい太っ腹伝説がたくさんある。その筆頭は、97年に亡くなった、勝新太郎だろう。

「銀座で飲んでいると、同じお店にいた人も誘って、次の店に移動。また次の店、次の店と、最後は100人を超える人が勝さんの後ろを歩いてついてくる、みたいなことを、毎日のように繰り返していたそうですからね。もちろん、お店の支払いはすべて勝さん。何億円もの大きな借金も作りましたが、勝さんを悪く言う人には会ったことがありませんね」(前出の川内氏)

 勝新太郎と親交が深かった美空ひばりのゴーカイさもひけを取らない。「ひばりさんは、来客があると、その人が好きなタバコの銘柄をリサーチして、それを応接間の戸棚にギッシリと並べて、“いつでも吸いに来なさい”と迎え入れていたそうです。当時はなかなか手に入らなかった洋モクでも、探して出して何百箱と用意したというから、相当な金がかかっていたと思います」(芸能関係者)

 今年1月に亡くなった、松方弘樹も負けてはいない。「ダウンタウンが東京進出を果たしたばかりの頃、打ち上げをしているところに通りかかった松方が、“頑張ってるね。スタッフと(面白いこと)どんどんやりな”と、100万円の束をポンと置いていったそうです」(キー局関係者)

 芸能リポーターの城下尊之氏も、こんな経験があるという。「時代劇特番のロケの最終日に取材に行ったら、スタッフに加え、僕ら取材陣にも声をかけてくれて、総勢100人超で打ち上げ。さらに、松方さんはテーブルを回って“お疲れさん”って乾杯してくれる。この費用はすべて松方さんのポケットマネー。当時、松方さんの1時間のドラマ出演料が500万円という時代でしたけど、なかなかできることじゃありませんよ」

 マグロ釣りへの情熱でも知られる松方さんが、「萩クロマグロトーナメント」で325キロの巨大マグロを釣り上げて優勝したときには、こんな話がある。

「翌日、松方さんのマグロは築地の競りにかけられ、プレミア価格がついて437万円の高値で落札されましたが、一緒に漁に出た漁師さんに半額をポンと渡し、残りも、港の人たちを呼んでの宴会で、一晩で使い果たしたとか」(番組関係者)

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