楽天・則本昂大「野茂英雄をも超える」奪三振王への画像
楽天・則本昂大「野茂英雄をも超える」奪三振王への画像

 “鷲軍団”を引っ張る若き大黒柱。ドクターKの異名を取る彼の実力は、チームの偉大な先輩をもしのぐ!!

 6月1日、日本球界史に楽天のエース・則本昂大投手(26)の名が刻まれた。この日、則本は巨人戦に先発し、8回を投げ、自責点2、奪三振12。「2回表、二死満塁のピンチから9番・小林をスライダーで空振り三振。続く3回も1番・脇谷、2番・立岡、3番・坂本を三者連続の見逃し三振。圧巻は、8回表でした」(スポーツ紙記者)

 試合前、“則本から観覧車弾を打ちます”と言っていた先頭打者の坂本を低目のフォークで空振り三振に切ってとり、この日10個目の三振。続く4番・マギー、5番・阿部も空振り三振で、巨人のクリーンアップを三者連続三振で仕留めた。これで、7試合連続の2桁奪三振を記録し、1991年に近鉄の野茂英雄(現大リーグ・パドレスアドバイザー)が作った6試合連続の記録を破り、金字塔を打ち立てたのだ。

 野球評論家の橋本清氏は、こう絶賛する。「則本のマウンドさばきはデビュー当初から新人離れしていましたが、今や、楽天にいた当時の田中将大と比べても引けを取らない実力をつけていますよ」

 しかし、則本といえば、入団当初は、さほど注目を集める選手ではなかった。ドラフトにかかった2012年は、大谷翔平、藤浪晋太郎、菅野智之がいた年。則本は楽天の2位指名で、全体では18番目と、それほど評価は高くはなかったのだ。

「則本は三重中京大学時代に、三重県リーグ通算33勝0敗、防御率0.56と抜群の成績を残していますが、リーグ自体のレベルに疑問符がついていましたからね。それに178センチと、投手としては体がそれほど大きくなかったため、どの球団のドラフト1位候補にも拳がっていませんでした」(スポーツ紙デスク)

 ダルビッシュ有(196センチ)、田中将大(191センチ)と比較すれば、則本が体格に恵まれているわけではないことがよく分かる。だが、いざプロの世界に入ると、前評判を覆す大車輪の活躍を見せる。ルーキーイヤーのオープン戦で、いきなり防御率1.44という好成績を残したのだ。

「その実績を買われ、当時のエース・田中のWBCでの疲労を考慮したこともあり、則本は1年目で開幕投手に抜擢されました。シーズン通算では松坂大輔以来となる新人で15勝を拳げ、新人王を獲得。大ブレイクしました」(前同)

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