――設定では、美沙が勤める会社の社長・雄島(田中圭)の元恋人ですよね。

野波 元恋人なので、ある程度のことが分かったうえでの関係っていうのがあって。でも、もうベタベタする間柄じゃないし、お互い大人なので、ある程度の距離を置いた関係性だと思うんですね。「あなたのことは分かっているよ」という、お姉さん的というか……。

――ふむふむ。

野波 でも、元カノと元カレの関係って、そんな感じじゃないですか。特に女性は、昔つきあっていた男性に対して「頑張れ~!」って思うところがあるんですが……分かりませんかね。

――え~スミマセン。女性心理に疎いもので……。

野波 男性には分かりづらいかもしれませんね(笑)。

――母性ですかね?

野波 そうですね、きっと。一度、好きになった人なので、すっごく嫌なことをされたら別ですけど、なんとなく自然に別れたんだったら、その後も人としては好きでいられる……ところがあると思うんですけど。

――深いですね~。劇中で「恋愛に達人はいない」などの印象的なセリフがありますが、野波さんの心に残ったセリフはありますか?

野波 あまりないかも。最近、恋をしていないので。「昔はこういう感じあったな~」とは思いましたけど。

――こういう感じとは?

野波 人に恋して自分がモヤモヤして、ホントは言ってはいけないことを勢いで言っちゃったり、その後ですごく後悔したりとか。そういう葛藤をする、いわゆる“ひとり劇場”の中で、恋って始まるじゃないですか。そのときのパワーってすごいなってことを思い出しました(笑)。

――タイトルが『恋がヘタでも生きてます』ですが、野波さんご本人は恋がヘタでも生きていけます?

野波 恋がヘタでも生きていますね、フフフ。というか、生きてきましたね。それも“だいぶ”でしたが。

――そうなんですか?

野波 私自身が美沙みたいなタイプだな~って、ドラマを見てつくづく思いましたね。恋をすると、美沙みたいにモヤモヤした葛藤の日々を送るのは、女性なら誰もが通る道だと思うんです。ヘタなことをいっぱいやって、そして、いっぱい傷ついて、いっぱい泣いて。で、いっぱい笑って……その繰り返しでしたね。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4