(1)心愛(女の子)「これはまあ、読めますよね。ちょっと甘いイメージもあって、かわいい子に育ってほしいという親御さんの願いを感じます」(飯田氏・以下同)

(2)昊空、昊天など(男の子)「これも、今やかなりメジャーな名前ですね。高い志を持ってほしいという想いも感じられるし、爽やかなイメージもある。まあ本来、1文字で済むんですが」

(3)緑夢(男の子)「スキー選手として第一線で活躍し、練習中にケガをしても不屈の精神でパラリンピック出場を目指す成田緑夢選手が有名ですが、やはり“夢”への強いこだわりを感じます。“自分だけの物語を作ってほしい”という願いの表れでしょうか」

(4)篤朱(男の子)「国際化時代、“海外で通用する名前に”と、英語を当て字にする親御さんも多いです。問題はこの英単語の意味を知っていたかどうかということと、海外で通用する、しないに名前は関係ないということですね」

 さて、この程度なら、賢明な読者諸兄はすべてお分かりではないだろうか。正解は、(1)ここあ、(2)そら、(3)ぐりむ、(4)あっしゅ(英語の意味は“灰”)。ここからが、真の難読ネーム。中級編だ。

(5)月姫(女の子)「“姫”とつく名前はキラキラネームである可能性が高いですね。“お姫様のように、かわいい子になってほしい”という願いに、さらに月の輝きのイメージを“全部のせ”したんでしょう。ちなみに、読みは3~4種類存在するようです」

(6)空流(男の子)「男の子の名前と言えば、従来はジャンプ漫画の主人公的な、元気で快活なイメージのものが主流。しかし、最近はあまり暑苦しくないスマートな男性像も好まれていますからね。ジャンプ漫画と言えば、“流富威(ルフィ)”という名前も実在するようです」

(7)今鹿(女の子)「マンガの主人公の名前が出たので、これも挙げますが……。国際化社会を反映してか、日本語脳では読めない高度な当て字です」

(8)大魂(男の子)「ジャンプ漫画っぽい、壮大な字面ですね。男はでっかくなくちゃ! と思わせてくれます。が、読みがどうも有名な安売り店みたいなのが、若干スケールが小さいような気も……親御さんが好きなのかな」

 このレベルだと、なかなか分かりづらいかもしれないが、いかがだろうか? 正解は(5)るな、らめ、かぐやなど、(6)くーる、(7)なうしか、(8)だいそー。「魂=ソウルを“そー”と読むあたり、英語教育の普及で発音がよくなったことの証ですね」 そ、そうだろうか……。さて、ここから上級編へ。

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